通知

 

衛化第56号

平成8年05月23日

都道府県知事

政令市長

特別区長

殿

生活衛生局

 

 

食品衛生法に基づく添加物の表示等について

 

(一部改正平成9年11月17日衛化第160号
(一部改正平成10年12月3日生衛発第1711号
(一部改正平成11年12月10日生衛発第1769号
(一部改正平成12年6月30日生衛発第1090号
(一部改正平成14年8月1日食発第0801001
(一部改正平成16年12月24日食安発第1224001号
(一部改正平成17年2月24日食安発第0224001号
(一部改正平成17年4月28日食安発第0428001号
(一部改正平成17年8月19日食安発第0819001号
(一部改正平成19年4月26日食安発第0426001号
(一部改正平成20年7月4日食安発第0704001号
(一部改正平成20年10月1日食安発第1001001号
(最終改正平成22年5月28日消食表第190号
(廃止平成22年10月20日消食表第377号

 添加物の表示等については、昭和63年7月27日衛化第42号及び平成元年11月28日衛化第66号により通知するとともに、食品衛生法施行規則(昭和23年厚生省令第23号。以下「規則」という。)等の改正については、平成8年5月23日付衛食第135号により通知したところであるが、食品衛生法に基づく添加物の表示等に関する制度の概要及び運用上の留意事項を整理すると、下記のとおりであるので、貴管下関係者に周知徹底するとともに、その運用に遺憾のないようされたい。なお、本通知の施行に伴い、昭和63年7月27日衛化第42号の第4及び別紙1から別紙4まで、並びに平成元年11月28日衛化第66号の第4、別紙1及び別紙2は削除する。


1 制度の概要
(1)食品に係る表示について

ア 規則別表第3(付録参照)に掲げる食品に含まれる添加物については、栄養強化の目的で使用した添加物、加工助剤及びキャリーオーバーを除き、すべて当該添加物を含む旨(以下「物質名」という。)を表示するものであること。
 なお、物質名の表示は、規則別表第1(付録参照)に掲げる添加物(規則別表第4(付録参照)に掲げるものを除く。)については、規則別表第1に掲げる名称により行うこと。
イ 規則別表第5(付録参照)の中欄に掲げる目的で使用される添加物を含む食品については、物質名及び当該添加物を同表下欄に掲げる物として含む旨(以下「用途名」という。)を表示するものであること。
ウ ー般に広く使用されている名称(以下「簡略名」という。)を有する添加物については、簡略名をもって、物質名の表示に代えることができるものであること。
エ 規則別表第8(付録参照)の上欄に掲げる目的で使用される添加物は、下欄に掲げる名称(以下「一括名」という。)をもって、物質名の表示に代えることができるものであること。
オ 規則別表第5の中欄に掲げる着色の目的で使用される添加物は、物質名の表示中に「色」の文字を含む場合には、用途名表示は省略できるものであること。
カ 規則別表第5の中欄に掲げる増粘の目的で使用される添加物は、物質名の表示中に「増粘」の文字を含む場合には、「増粘剤または糊料」の用途名表示は省略できるものであること。
キ 別表第3の11のハに掲げるかんきつ類及びバナナにあっては、オルトフェニルフェノール、オルトフェニルフェノールナトリウム、ジフェニル、チアベンダゾール又はイマザリルを含む場合には、物質名及び用途名を表示し、その他の表示事項については表示を省略できるものであること。

(2)添加物及びその製剤に係る表示について

ア 添加物及びその製剤については、規則別表第1に掲げる添加物(規則別表第4に掲げるものを除く。)にあっては、規則別表第1に掲げる名称により表示するものであること。その他の添加物にあっては、科学的に適切な名称をもって表示すること。
イ 添加物及びその製剤については、規格基準の有無に係わらず、名称、消費期限又は品質保持期限、製造所所在地、製造者氏名及び「食品添加物」の文字等の表示を要するものであること。
ウ 食品、添加物等の規格基準(昭和34年厚生省告示第370号)において表示量の規定がある添加物については、その重量パーセントを表示するものであること。
エ 添加物製剤については、着香の目的で使用されるものを除き、その成分及び重量パーセントを表示するものであること。
オ ビタミンAの誘導体については、ビタミンAとしての重量パーセントを表示するものであること。


2 運用上の留意事項
(1)食品に係る表示について
 ①物質名表示関係

ア 物質名の表示において、「含有」、「使用」、「含む」、「添加」等の文字を併記しなくとも差し支えないこと。
イ 規則別表第1に掲げる添加物の物質名の表示において、規則別表第1に掲げる名称のほかに簡略名を用いることができる添加物及びその簡略名は、別紙1に掲げる範囲であること。
 また、同種の機能の添加物を併用する場合は、別紙2に掲げる例示に従い簡略化した表示を用いても差し支えないものであること。
ウ 既存添加物名簿(平成8年厚生省告示第120号、以下「名簿」という。)に掲げる添加物(以下「既存添加物」という。)の物質名の表示は、名簿に掲げる名称又は別添1に掲げる品名(細分類の品名を含む。以下同じ。)により行うものであること。
エ 食品衛生法第4条第3項に規定する天然香料(以下「天然香料」という。)の物質名の表示は、別添2に掲げる基原物質名又は別名により行うものであること。
 なお、天然香料の物質名表示にあっては、基原物質名又は別名に「香料」の文字を附すこと。
オ 一般に食品として飲食に供されている物であって添加物として使用されるもの(以下「一般飲食物添加物」という。)の物質名の表示は、別添3に掲げる品名(細分類の品名を含む。以下同じ。)により行うものであること。
カ 別添2及び別添3に記載のない天然香料及び一般飲食物添加物の物質名の表示は、当該添加物であることが特定できる科学的に適切な名称をもって表示するものであること。
キ 規則別表第1に掲げる添加物以外の添加物について、物質名の表示に代えて使用できる簡略名は、別添1及び別添3の簡略名又は類別名(細分類の簡略名又は類別名を含む。以下同じ。)の項に示したこと。
 なお、別添1及び別添3の用途欄に増粘安定剤と記載された多糖類を2種以上併用する場合には、簡略名として「増粘多糖類」を使用して差し支えないものであること。

 ②用途名表示関係

ア 規則別表第1に掲げる添加物のうち、規則別表第5の中欄に掲げるものとしての使用が主たる用途と考えられる添加物を、別紙3に例示したこと。
 また、規則別表第1に掲げる添加物以外の添加物にあって、規則別表第5の中欄に掲げる用途を目的として使用されるものの例は、別添1及び別添3の用途の項に掲げるものであること。
 なお、上記以外のものであっても、規則別表第5の中欄に掲げるものとして使用される場合にあっては、当該添加物に係る用途名の併記が必要となること。
イ 当該添加物の使用において、規則別表第5の中欄に掲げるもののうち、重複した使用目的を有する場合には、主たる目的に係る用途名を表示すれば足りること。
ウ 規則別表第5の下欄に複数の用途名が掲げられているものについては、そのうちの何れかを表示すること。

 ③その他

ア 各一括名の定義及び物質名の表示において一括名を用いることができる添加物の範囲は、別紙4のとおりであること。
イ 加工助剤またはキャリーオーバーに該当するか否かについては、規則に示した定義に照らし、当該添加物の使用基準、使用実態等に即して個別に判断されるものであること。
ウ 原材料に由来する添加物については、主要原材料か否かを問わず、規則にいうキャリーオーバーに該当する場合に表示が免除されるものであること。
エ 規則別表第1に掲げる添加物のうち栄養強化の目的で使用されたものと認められる添加物の範囲は、別紙5のとおりであること。
 また、規則別表第1に掲げる以外の添加物であって、栄養強化の目的で使用されたものと認められる添加物の範囲は、別添1及び別添3の用途の項に「強化剤」として例示したこと。
 なお、これらの添加物を栄養強化以外の目的で使用する場合には、物質名の表示が必要であること
オ 調整粉乳にあっては、栄養強化の目的で使用されたものであっても、従来どおり主要な混合物として表示を要するものであること。
カ ばら売り等により販売される食品のうち、ジフェニルを使用したグレープフルーツ、レモン及びオレンジ類については昭和46年3月17日環食化第223号により、サッカリン又はサッカリンナトリウムを含む食品については昭和50年7月25日環食化第32号により、オルトフェニルフェノール、オルトフェニルフェノールナトリウム又はこれらのいずれかを使用したかんきつ類については昭和52年5月2日環食化第28号により、チアベンダゾールを使用したかんきつ類及びバナナについては昭和53年8月30日環食化第36号により、イマザリルを使用したかんきつ類及びバナナについては平成4年11月6日衛化第80号により、それぞれこれらの添加物としての使用に関する表示を指導してきているところであるが、今後とも従来どおり十分指導されたいこと。

(2)添加物及びその製剤に係る表示について

ア 添加物の名称及びその製剤の成分の表示にあっては、一括名又は簡略名を名称として用いることはできないこと。
イ 規則別表第1に掲げる添加物の表示は規則別表第1に掲げる名称により行うこと。既存添加物の表示は、名簿に掲げる名称または別添1に掲げる品名により行うものであること。また、天然香料及び一般飲食物添加物の表示は、別添2及び別添3に掲げる品名により行うものであること。ただし、別添2及び別添3に記載のない添加物にあっては、当該添加物であることが特定できる科学的に適切な名称をもって表示するものであること。
ウ 添加物製剤の成分の重量パーセント表示に関し、規則別表第1に掲げる以外の添加物の製剤において、その重量パーセントの表示は、当該製剤の製造における当該添加物の配合量を基準として行うこと。

(3)その他

ア 添加物の表示においては、いずれの場合においても「天然」又はこれに類する表現の使用は認められないものであること。
イ 物質名又は簡略名の表示は、規則別表第1、名簿、別紙1、別添1、別添2及び別添3に掲げる名称のとおりに表示することが原則であるが、食品関係営業者及び一般消費者に誤解を与えない範囲内で平仮名、片仮名、漢字を用いても差し支えないものであること。


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