食品添加物「アカネ色素」については、国立医薬品食品衛生研究所から、平成16年6月18日にねずみ(ラット)を用いた発がん性試験等において、未だ全ての試験結果は得られていないものの、腎臓に対し発がん性が認められたとの中間報告を受けたことから、同日付けで食品安全委員会に対して健康影響評価を依頼したところ、7月2日付けで「腎臓以外の臓器の所見等について、今後とも情報収集が必要であるが、提出された資料からは、遺伝毒性及び腎臓への発がん性が認められており、アカネ色素についてADIを設定できない。」との評価結果を受けたところである。
当該評価結果に基づき、7月5日に薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会に意見を聴いたところ、「食品添加物『アカネ色素』を既存添加物名簿から消除することについては、適当である。なお、その施行については、食品衛生法上の危害の発生を防止するため緊急を要するものと考えることから、早急に行うべきである。」との答申を受けたところである。
これを受けて、厚生労働省としては、本日、既存添加物名簿(平成8年厚生省告示第120号)の一部を改正し、アカネ色素を同名簿から消除したので下記の事項に留意の上、その運用に遺憾のなきよう取り計らわれたい。
なお、食品衛生法及び栄養改善法の一部を改正する法律(平成7年法律第101号)附則第2条の2第3項の規定に基づく国民からの意見の聴取については、本日から行うこととしているので念のため申し添える。
記
第1 改正の趣旨
既存添加物名簿からアカネ色素を消除することにより、アカネ色素及びこれを含む食品の製造・販売・輸入等を禁止すること。
第2 施行期日
この改正は、平成16年10月9日から適用されること。
第3 運用上の注意
1 施行期日までの期間についても、予防的な観点から自主的な製造等の自粛及び回収等の措置がとられることが望ましいので、指導に当たっては、この点に留意されたいこと。なお、回収等の措置の実態把握に努められたいこと。
2 関係職員、特に食品衛生監視関係職員に対しても、今回の措置の内容及び趣旨について周知の徹底を図られたいこと。
参考
厚生労働省 報道発表資料 (平成16年7月5日)
厚生労働省 報道発表資料 (平成16年6月18日)
薬事・食品衛生審議会 答申 (平成16年7月5日)