乳及び乳製品の成分規格等に関する省令及び食品、添加物等の規格基準の一部改正について
乳及び乳製品の成分規格等に関する省令(昭和26年厚生省令第52号。以下「乳等省令」という。)及び食品、添加物等の規格基準(昭和34年12月厚生省告示第370号。以下「告示」という。)の一部が、それぞれ平成15年11月26日厚生労働省令第170号及び厚生労働省告示第369号をもって改正されたので、下記の事項に留意の上、その運用に遺憾のないようにされたい。
記
第1 改正の内容
1 乳等省令関係
乳に残留する動物用医薬品(ジヒドロストレプトマイシン及びストレプトマイシン)について、残留基準値及び試験法を新たに設定したこと。
2 告示関係
(1) パツリンについて
パツリンは、ペニシリウム属やアスペルギルス属等の真菌によって産生されるかび毒であり、真菌が付着した果実等から検出され、パツリン汚染の可能性の高い主要食品としてりんご果汁が知られている。今般、りんご果汁についてパツリンの汚染実態調査が行われ、一部のものから比較的高濃度のパツリンが検出されたことから、食品安全委員会及び薬事・食品衛生審議会の審議結果を踏まえ、清涼飲料水の成分規格の一部を改正し、りんごジュース及び原料用りんご果汁について、パツリン規格を設定したこと。
(2) 動物用医薬品の残留基準について
食肉に残留する3品目の動物用医薬品(サラフロキサシン、ジヒドロストレプトマイシン及びストレプトマイシン、ダノフロキサシン)について、 残留基準値 及び試験法を新たに設定したこと。
第2 運用上の注意
パツリンについて
(1) りんごの搾汁及び搾汁された果汁のみを原料とする清涼飲料水とは、果汁分100%のりんごジュース及び原料用りんご果汁であり、りんごジュース(ストレート)、りんごジュース(濃縮還元)、りんご濃縮果汁等が含まれること。また、香料や酸化防止剤等を添加したものを含むものであること。
(2) りんご以外の果実の搾汁や果汁、野菜汁等を含む果実ミックスジュース、果実・野菜ミックスジュース、果汁入り飲料等の清涼飲料水にあっては、原料用りんご果汁に成分規格を設定することにより、衛生確保を図ったものであること。
(3) りんご濃縮果汁等にあっては、告示の試験法に示したとおり、濃縮した倍数の水で希釈した検体について、基準値が適用されるものであること。
第3 施行期日
平成16年6月1日から施行する。
動物用医薬品の残留基準値
|
動物用医薬品
|
ADI
|
残留基準値
|
1 |
サラフロキサシン (SARAFLOXACIN) |
0.30g/kg体重/日 |
肉(鶏・七面鳥) 肝臓(鶏・七面鳥) 腎臓(鶏・七面鳥) 脂肪(鶏・七面鳥) |
0.01 ppm 0.08 ppm 0.08 ppm 0.02 ppm |
2 |
ストレプトマイシン/ジヒドロストレプトマイシン (DIHYDROSTREPTO-MYCIN/STREPTOMYCIN) |
50g/kg体重/日 |
肉(牛・羊・豚・鶏) 肝臓(牛・羊・豚・鶏) 腎臓(牛・羊・豚・鶏) 脂肪(牛・羊・豚・鶏) 乳 (注1) |
0.6 ppm 0.6 ppm 1.0 ppm 0.6 ppm 0.2 ppm |
3 |
ダノフロキサシン (DANOFLOXACIN) |
18g/kg体重/日 |
肉(牛・鶏) 肝臓(牛・鶏) 腎臓(牛・鶏) 脂肪(牛・鶏) 豚肉 豚肝臓 豚腎臓 豚脂肪 |
0.20 ppm 0.40 ppm 0.40 ppm 0.10 ppm 0.10 ppm 0.05 ppm 0.20 ppm 0.10 ppm |