通知

 

生食発0726第1号

令和5年07月26日

都道府県知事

保健所設置市長

特別区長

殿

厚生労働省大臣官房
生活衛生・食品安全審議官

 

 

食品衛生法施行規則の一部を改正する省令及び食品、添加物等の規格基準の一部を改正する件について

 

 食品衛生法施行規則の一部を改正する省令(令和5年厚生労働省令第99号)及び食品、添加物等の規格基準の一部を改正する件(令和5年厚生労働省告示第240号)が本日公布又は告示され、食品衛生法施行規則(昭和23年厚生省令第23号。以下「省令」という。)及び食品、添加物等の規格基準(昭和34年厚生省告示第370号。以下「規格基準告示」という。)がそれぞれ改正されました。
 改正の概要等については、下記のとおりですので、関係者への周知をお願いするとともに、その運用に遺漏がないようお取り計らい願います。

第1 改正の概要

 1 省令関係
  フィチン酸カルシウムを省令別表第1に追加したこと。

 2 規格基準告示関係
  ⑴ 残留基準値関係
  以下の品目について、食品中の残留基準値を設定し、又は改正したこと(別紙参照)。
  動物用医薬品イソシンコメロン酸二プロピル、農薬及び動物用医薬品イソプロチオラン、動物用医薬品ジミナゼン、農薬ピリダクロメチル、動物用医薬品ピリメタミン、動物用医薬品マホプラジン並びに農薬メトブロムロン

  ⑵ 添加物関係
  フィチン酸カルシウムの成分規格を設定したこと。また、フィチン酸カルシウムの使用基準として、ぶどう酒以外の食品に使用してはならないこととした上で、その使用量は、フィチン酸カルシウムとして、ぶどう酒1Lにつき0.08g以下でなければならないこととしたこと。
  硫酸銅の使用基準を改正し、ぶどう酒にも硫酸銅を使用することができることとした上で、その使用量は、硫酸銅(II)五水和物として、ぶどう酒1Lにつき10mg以下でなければならず、また、銅として、ぶどう酒1Lにつき2mg以下を超えて残存しないように使用しなければならないこととしたこと。

第2 施行期日又は適用期日

 1 省令関係
  公布の日から施行すること。

 2 規格基準告示関係
  告示の日から適用すること。ただし、下表に掲げる食品の残留基準値は、告示の日から起算して1年を経過した日から適用すること。

<告示の日から起算して1年を経過した日から適用する食品の残留基準>

農薬等 食品
イソプロチオラン 米(玄米をいう。)、もも、もも(果皮及び種子を含む。)及びその他のスパイス

 3 規制対象について
  告示の日から起算して1年を経過した日から改正後の残留基準値が適用される農薬等のうち、「第3 運用上の注意」1において、残留の規制対象を変更することと示しているものについては、規制対象の変更についても同日から適用すること。

第3 運用上の注意

 1 残留基準値関係
  (1) 別紙のうち残留基準値欄が空欄になっている食品及び表中にない食品については、一律基準(0.01ppm)を適用すること。ただし、ピリメタミンは、規格基準告示の「第1 食品の部A 食品一般の成分規格」の1に規定する化学的合成品たる抗菌性物質に該当するため、表中にない食品に含有されるものであってはならないこと。
  (2) 今回残留基準値を設定する「イソシンコメロン酸二プロピル」の規制対象は、イソシンコメロン酸二プロピルのみとすること。なお、今回の改正に当たり、残留の規制対象に変更はないこと。
  (3) 今回残留基準値を設定する「イソプロチオラン」の規制対象は、農産物及び魚介類にあってはイソプロチオランのみとし、畜産物にあってはイソプロチオラン及び代謝物C【モノイソプロピル 1,3-ジチオラン-2-イリデンマロネート】とすること。ただし、代謝物Cはイソプロチオランの濃度に換算すること。なお、改正前の残留の規制対象は、イソプロチオランのみであること。
  (4) 今回残留基準値を設定する「ジミナゼン」の規制対象は、ジミナゼンジアセツラートのみとすること。なお、改正前の残留の規制対象は、ジミナゼンのみであること。
  (5) 今回残留基準値を設定する「ピリダクロメチル」の規制対象は、ピリダクロメチルのみとすること。
  (6) 今回残留基準値を設定する「ピリメタミン」の規制対象は、ピリメタミンのみとすること。なお、今回の改正に当たり、残留の規制対象に変更はないこと。
  (7) 今回残留基準値を設定する「マホプラジン」の規制対象は、マホプラジンのみとすること。なお、今回の改正に当たり、残留の規制対象に変更はないこと。
  (8) 今回残留基準値を設定する「メトブロムロン」の規制対象は、メトブロムロンのみとすること。 

 2 添加物関係
  (1) フィチン酸カルシウム及び硫酸銅の使用に当たっては、適切な製造工程管理を行い、食品中で目的とする効果を得る上で必要とされる量を超えないものとすること。
  (2) フィチン酸カルシウム及び硫酸銅の使用基準にいうぶどう酒とは、酒税法(昭和28年法律第6号)第3条第13号に規定する果実酒又は同条第14号に規定する甘味果実酒に該当し、ぶどうを主原料とするものであること。

 3 その他
  (1) 今般の残留基準値の設定に併せ、今後、農林水産省において、農薬取締法(昭和23年法律第82号)に基づき、農薬ピリダクロメチル及び農薬メトブロムロンに係る新規農薬登録が行われる予定であること。
  (2) 「すいか」、「メロン類果実」、「まくわうり」、「みかん」、「びわ」、「もも」及び「キウィー」に設定されている残留基準値については、現行の残留基準値を削除する場合、別に規定する場合を除き、「すいか(果皮を含む。)」、「メロン類果実(果皮を含む。)」、「まくわうり(果皮を含む。)」、「みかん(外果皮を含む。)」、「びわ(果梗(こう)を除き果皮及び種子を含む。)」、「もも(果皮及び種子を含む。)」及び「キウィー(果皮を含む。)」としてそれぞれ一律基準(0.01ppm)が適用されること。

【生食発0726第1号】施行通知(イソシンコメロン酸二プロピル等)

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