通知

 

生食発0122第2号

平成31年01月22日

検疫所長

殿

大臣官房生活衛生・食品安全審議官

 

 

食品、添加物等の規格基準の一部を改正する件及び食品衛生法第11条第3項の規定により人の健康を損なうおそれのないことが明らかであるものとして厚生労働大臣が定める物質の一部を改正する件について

 

 食品、添加物等の規格基準の一部を改正する件(平成31年厚生労働省告示第9号)及び食品衛生法第11条第3項の規定により人の健康を損なうおそれのないことが明らかであるものとして厚生労働大臣が定める物質の一部を改正する件(平成31年厚生労働省告示第10号)が本日告示され、これにより食品、添加物等の規格基準(昭和34年厚生省告示370号。以下「規格基準告示」という。)の一部及び食品衛生法第11条第3項の規定により人の健康を損なうおそれのないことが明らかであるものとして厚生労働大臣が定める物質(平成17年厚生労働省告示第498号。以下「対象外物質告示」という。)の一部が改正された。
 改正の概要等については、下記のとおりであるので、関係者への周知を行うとともに、その運用に遺漏がないよう取り計らわれたい。

第1 改正の概要
 1 規格基準告示関係
   食品衛生法(昭和22年法律第233号。以下「法」という。)第11条第1項の規定に基づき、規格基準告示に規定する、農薬ジベレリン、農薬ジメテナミド、農薬フルキサピロキサド、農薬フルキサメタミド、農薬及び動物用医薬品フルバリネート、農薬ヘプタクロル並びに動物用医薬品モネパンテルについて、食品中の残留基準値を設定したこと(別紙参照)。

 2 対象外物質告示関係
   法第11条第3項に基づき、対象外物質に、カプリン酸グリセリル及びグリセリンクエン酸脂肪酸エステルを追加し、亜鉛を本登録したこと。

第2 適用期日
   告示日から適用すること。ただし、下表の農薬等ごとに掲げる食品の残留基準値については、告示日から6月以内に限り、なお従前の例によること。

農薬等 食品
ジベレリン その他のあぶらな科野菜(畑わさびの根茎に限る。)、ごぼう、その他のきく科野菜(ふきに限る。)、なす、メロン類果実、未成熟いんげん、みかん、日本なし、すもも(プルーンを含む。)、いちご、ぶどう、かき及びその他の果実(アセロラに限る。)
ジメテナミド

とうもろこし、大豆及びえだまめ

フルキサピロキサド 大豆及びすもも(プルーンを含む。)
フルバリネート 小麦、ライ麦、その他の穀類、だいこん類(ラディッシュを含む。)の根、はくさい、芽キャベツ、カリフラワー、レタス(サラダ菜及びちしゃを含む。)、たまねぎ、ねぎ(リーキを含む。)、にんにく、アスパラガス、トマト、ピーマン、きゅうり(ガーキンを含む。)、すいか、メロン類果実、みかん、なつみかんの果実全体、日本なし、西洋なし、びわ、もも、あんず(アプリコットを含む。)、おうとう(チェリーを含む。)、いちご、ぶどう、キウィー、くり及びホップ
ヘプタクロル 大豆、小豆類、えんどう、そら豆、その他の豆類、ばれいしょ、さといも類(やつがしらを含む。)、かんしょ、やまいも(長いもをいう。)、こんにゃくいも、その他のいも類、てんさい、さとうきび、だいこん類(ラディッシュを含む。)の根、だいこん類(ラディッシュを含む。)の葉、かぶ類の根、かぶ類の葉、西洋わさび、クレソン、はくさい、キャベツ、芽キャベツ、ケール、こまつな、きょうな、チンゲンサイ、カリフラワー、ブロッコリー、その他のあぶらな科野菜、ごぼう、サルシフィー、アーティチョーク、チコリ、エンダイブ、しゅんぎく、レタス(サラダ菜及びちしゃを含む。)、その他のきく科野菜、たまねぎ、ねぎ(リーキを含む。)、にんにく、アスパラガス、わけぎ、その他のゆり科野菜、にんじん、パースニップ、セロリ、その他のせり科野菜、トマト、ピーマン、なす、その他のなす科野菜、きゅうり(ガーキンを含む。)、しろうり、すいか、メロン類果実、まくわうり、その他のうり科野菜、ほうれんそう、たけのこ、オクラ、未成熟えんどう、未成熟いんげん、マッシュルーム、しいたけ、その他のきのこ類、その他の野菜、その他の果実、アーモンド、茶、その他のスパイス、その他のハーブ、牛の筋肉、豚の筋肉、その他の陸棲哺乳類に属する動物の筋肉、牛の肝臓、豚の肝臓、その他の陸棲哺乳類に属する動物の肝臓、牛の腎臓、豚の腎臓、その他の陸棲哺乳類に属する動物の腎臓、牛の食用部分、豚の食用部分、その他の陸棲哺乳類に属する動物の食用部分、鶏の筋肉、その他の家きんの筋肉、鶏の肝臓、その他の家きんの肝臓、鶏の腎臓、その他の家きんの腎臓、鶏の食用部分、その他の家きんの食用部分及び魚介類

第3 運用上の注意
 1 残留基準値関係
  ⑴ 残留基準値欄が空欄になっている食品及び表中にない食品については、一律基準(0.01ppm)が適用される。ただし、残留基準値が定められていない農産物に含まれるジベレリンについては、規格基準告示第1 食品の部A 食品一般の成分規格の8項に規定する「自然に食品に含まれる物質と同一であるとき」に該当するため、同8項に規定する「当該食品において当該物質が含まれる量は、当該食品に当該物質が通常含まれる量を超えてはならない」が適用される。
 なお、厚生労働省が行った調査により、多くの農産物は天然由来のジベレリンを0.2ppm以下程度含有することが示唆されたため、残留基準値が定められていない農産物については、食品中のジベレリンの残留濃度が0.2ppmを超えた場合以外は、食品衛生法に基づく行政処分又は行政指導を行う必要はない。
 また、全ての農産物における天然由来のジベレリン濃度については把握していないため、0.2ppmを超えた場合においても、文献等により当該農産物における天然由来のジベレリン濃度が残留濃度より高いことが確認できた場合は、食品衛生法に基づく行政処分又は行政指導を行う必要はない。
  ⑵ 今回残留基準値を設定するジベレリンとは、ジベレリンA3とする。今回の改正に当たり、残留の規制対象に変更はない。
  ⑶ ジベレリンの残留基準値については、「その他のあぶらな科野菜」のうち「畑わさびの根茎」に限り残留基準値を設定することとし、「畑わさびの根茎」を除いた「その他のあぶらな科野菜」には、「当該食品において当該物質が含まれる量は、当該食品に当該物質が通常含まれる量を超えてはならない」が適用される。
  ⑷ ジベレリンの残留基準値については、「その他のきく科野菜」のうち「ふき」に限り残留基準値を設定することとし、「ふき」を除いた「その他のきく科野菜」には、「当該食品において当該物質が含まれる量は、当該食品に当該物質が通常含まれる量を超えてはならない」が適用される。
  ⑸ ジベレリンの残留基準値については、「その他の果実」のうち「アセロラ」に限り残留基準値を設定することとし、「アセロラ」を除いた「その他の果実」には、「当該食品において当該物質が含まれる量は、当該食品に当該物質が通常含まれる量を超えてはならない」が適用される。
  ⑹ 今回残留基準値を設定するジメテナミドとは、ジメテナミド(R体)及びジメテナミド(S体)の和とする。今回の改正に当たり、残留の規制対象に変更はない。
  ⑺ 今回残留基準値を設定するフルキサピロキサドとは、フルキサピロキサドとする。今回の改正に当たり、残留の規制対象に変更はない。
  ⑻ 「とうがらし(乾燥させたもの)」に設定されているフルキサピロキサドの残留基準値については、改正前の残留基準値を削除する。なお、「とうがらし(乾燥させたもの)」で農薬が検出された場合には、当該加工品の加工工程を考慮して、原材料中の濃度に換算し、「その他のなす科野菜」の残留基準値への適・不適を確認する。
  ⑼ 「小麦ふすま」に設定されているフルキサピロキサドの残留基準値については、改正前の残留基準値を削除する。なお、「小麦ふすま」で農薬が検出された場合には、当該加工品の加工工程を考慮して、原材料中の濃度に換算し、「小麦」の残留基準値への適・不適を確認する。
  ⑽ 今回残留基準値を設定するフルキサメタミドとは、フルキサメタミドとする。
  ⑾ 今回残留基準値を設定するフルバリネートとは、フルバリネートのみとする。今回の改正に当たり、残留の規制対象に変更はない。
  ⑿ 今回残留基準値を設定するヘプタクロルとは、ヘプタクロル及びヘプタクロルエポキシド【2,3-エポキシ-1,4,5,6,7,8,8-ヘプタクロロ-3a,4,7,7a-テトラヒドロ-4,7-メタノインデン】の和とする。今回の改正に当たり、残留の規制対象に変更はない。
  ⒀ ヘプタクロルの残留基準値については、「魚介類」のうち「くじら」に限り残留基準値を設定することとし、「くじら」を除いた「魚介類」には、一律基準(0.01ppm)が適用される。
  ⒁ 「大豆油(食用植物油脂の日本農林規格に規定する食用大豆油及びこれと同等以上の規格を有すると認められる食用油に限る。)」及び「大豆油(食用植物油脂の日本農林規格に規定する食用大豆油及びこれと同等以上の規格を有すると認められる食用油を除く。)」に設定されているヘプタクロルの残留基準値については、これらを統合し、「大豆油」として残留基準値を設定する。
  ⒂ 今回残留基準値を設定するモネパンテルとは、モネパンテルスルホン【N-[(S)-1-メチル-1-シアノ-2-[2-(トリフルオロメチル)-5-シアノフェノキシ]エチル]-4-(トリフルオロメチルスルホニル)ベンズアミド】とする。今回の改正に当たり、残留の規制対象に変更はない。

 2 その他
   法に基づく残留基準値の設定に併せ、農薬取締法(昭和23年法律第82号)に基づく農薬フルキサメタミドに係る新規農薬登録及び農薬ジベレリン、農薬ジメテナミド、農薬フルキサピロキサド並びに農薬及び動物用医薬品フルバリネートに係る適用拡大のための変更登録が、今後農林水産省において行われる予定であること

【生食発0122第2号】施行通知(ジベレリン等).pdf

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