食品、添加物等の規格基準の一部を改正する件について
食品、添加物等の規格基準の一部を改正する件(平成30年厚生労働省告示第153号)が告示されました。
改正の概要等については、下記のとおりですので、関係者への周知をお願いするとともに、その運用に遺漏がないようお取り計らいをお願いします。
記
第1 改正の概要
1 食品衛生法(昭和22年法律第233号。以下「法」という。)第11条第1項の規定に基づき、農薬及び動物用医薬品アバメクチン、動物用医薬品ガミスロマイシン、農薬シアナジン、農薬及び動物用医薬品ジノテフラン、農薬ジフェノコナゾール、動物用医薬品チアムリン、農薬ピラジフルミド、農薬フルチアニル、農薬フロメトキン、農薬ホルペット、農薬マンジプロパミド、農薬メタフルミゾン並びに農薬メピコートクロリドについて、食品中の残留基準値を設定したこと(別紙参照)。
2 法第11条第1項の規定に基づき、食品において「不検出」とされる農薬等の成分である物質として規定されているプロファムの試験法を改正したこと。
第2 適用期日
告示の日から適用すること。ただし、プロファム試験法については、告示の日から6月以内に限り、なお従前の例によることができ、下表の農薬等ごとに掲げる食品の残留基準値については、告示の日から6月以内に限り、なお従前の例によること。
農薬等 |
食品 |
アバメクチン |
小豆類、らっかせい、その他の豆類、たまねぎ、にんにく、その他の果実、その他の陸棲哺乳類に属する動物の肝臓、その他の陸棲哺乳類に属する動物の腎臓及びその他の陸棲哺乳類に属する動物の食用部分 |
シアナジン |
小麦、大麦、とうもろこし、大豆、小豆類、えんどう、そら豆、その他の豆類、ばれいしょ、さといも類、かんしょ、やまいも、こんにゃくいも、その他のいも類、だいこん類の根、だいこん類の葉、かぶ類の根、かぶ類の葉、西洋わさび、クレソン、はくさい、キャベツ、芽キャベツ、ケール、こまつな、きょうな、チンゲンサイ、カリフラワー、ブロッコリー、その他のあぶらな科野菜、ごぼう、サルシフィー、アーティチョーク、チコリ、エンダイブ、しゅんぎく、レタス、その他のきく科野菜、にんにく、にら、アスパラガス、わけぎ、その他のゆり科野菜、にんじん、パースニップ、パセリ、セロリ、みつば、その他のせり科野菜、トマト、ピーマン、なす、その他のなす科野菜、きゅうり、かぼちゃ、しろうり、その他のうり科野菜、ほうれんそう、たけのこ、オクラ、しょうが、未成熟えんどう、未成熟いんげん、えだまめ、マッシュルーム、しいたけ、その他のきのこ類、その他の野菜、その他のスパイス及びその他のハーブ |
ジノテフラン |
アーティチョーク、みつば及びその他のなす科野菜 |
ジフェノコナゾール |
ライ麦、とうもろこし、そば、らっかせい及びびわ |
チアムリン |
その他の陸棲哺乳類に属する動物の筋肉、その他の陸棲哺乳類に属する動物の脂肪、その他の陸棲哺乳類に属する動物の肝臓、その他の陸棲哺乳類に属する動物の腎臓、その他の陸棲哺乳類に属する動物の食用部分、鶏の筋肉、その他の家きんの筋肉、鶏の脂肪、その他の家きんの脂肪、鶏の腎臓、その他の家きんの腎臓、鶏の食用部分、その他の家きんの食用部分、鶏の卵及びその他の家きんの卵 |
ホルペット |
たまねぎ、ねぎ、にんにく、セロリ、かぼちゃ、メロン類果実、まくわうり、未成熟いんげん、みかん、なつみかんの果実全体、レモン、オレンジ、グレープフルーツ、ライム、その他のかんきつ類果実、おうとう、いちご、ラズベリー、ブラックベリー、ブルーベリー、クランベリー、ハックルベリー、その他のベリー類果実、アボカド、その他の果実及びその他のスパイス |
マンジプロパミド |
すいか、メロン類果実及びまくわうり |
メタフルミゾン |
だいこん類の葉 |
メピコートクロリド |
米、とうもろこし、そば、すいか、メロン類果実、まくわうり、みかん、なつみかんの果実全体、レモン、オレンジ、グレープフルーツ、ライム、その他のかんきつ類果実、りんご、日本なし、西洋なし、マルメロ、びわ、もも、ネクタリン、あんず、すもも、うめ、おうとう、いちご、ラズベリー、ブラックベリー、ブルーベリー、クランベリー、ハックルベリー、その他のベリー類果実、かき、バナナ、キウィー、パパイヤ、アボカド、パイナップル、グアバ、マンゴー、パッションフルーツ、なつめやし、その他の果実、ひまわりの種子、ごまの種子、べにばなの種子、その他のオイルシード、ぎんなん、くり、ペカン、アーモンド、くるみ、その他のナッツ類、その他のスパイス、牛の筋肉、豚の筋肉、その他の陸棲哺乳類に属する動物の筋肉、牛の脂肪、豚の脂肪、その他の陸棲哺乳類に属する動物の脂肪、豚の肝臓、豚の腎臓、豚の食用部分、鶏の筋肉、その他の家きんの筋肉、鶏の脂肪、その他の家きんの脂肪、鶏の肝臓、その他の家きんの肝臓、鶏の腎臓、その他の家きんの腎臓、鶏の食用部分及びその他の家きんの食用部分
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第3 運用上の注意
1 残留基準値関係
⑴ 残留基準値の欄に記載のない食品及び表中にない食品については、一律基準(0.01ppm)が適用される。ただし、ガミスロマイシン及びチアムリンについては、食品、添加物等の規格基準(昭和34年厚生省告示370号)第1 食品の部A 食品一般の成分規格の1に規定する抗生物質に該当することから、残留基準値の欄に記載のない食品及び表中にない食品については、当該物質を含有するものであってはならない。
⑵ 今回残留基準値を設定するアバメクチンとは、アベルメクチンB1a、アベルメクチンB1b及び代謝物[b]【8,9-Z-アベルメクチンB1a】の総和とする。今回の改正に当たり、残留の規制対象に変更はない。
⑶ 今回残留基準値を設定するガミスロマイシンとはガミスロマイシンのみとする。今回の改正に当たり、残留の規制対象に変更はない。
⑷ ガミスロマイシン製剤は、牛の頸部皮下又は豚の頸部筋肉内に投与する注射剤であり、残留試験の結果によると、他の部位の筋肉と比較して、注射部位直下の筋肉に高濃度で残留する。
ガミスロマイシンの「牛の筋肉」又は「豚の筋肉」の残留基準は、適正使用の判断を適切にするため注射部位以外の筋肉への残留試験の結果を踏まえて設定していることから、ガミスロマイシンを適正に使用した場合においても、注射部位直下の筋肉の残留試験の結果において「牛の筋肉」又は「豚の筋肉」の基準値を超える可能性がある。
このため、検査にあたってはと畜検査申請書等によりガミスロマイシンの使用が確認された場合には当該特性に留意して実施されたい。
⑸ 今回残留基準値を設定するシアナジンとはシアナジンのみとする。今回の改正に当たり、残留の規制対象に変更はない。
⑹ 今回残留基準値を設定するジノテフランとは、農産物にあってはジノテフランのみとし、畜産物にあってはジノテフラン及びUF【1-メチル-3-(テトラヒドロ-3-フリルメチル)ウレア】をジノテフランに換算したものの和とする。なお、改正前の残留の規制対象は、ジノテフランのみとしている。今回の改正に当たり、農産物については残留の規制対象に変更はない。
⑺ 今回残留基準値を設定するジフェノコナゾールとは、農産物にあってはジフェノコナゾールのみとし、畜産物にあってはジフェノコナゾール及び代謝物D【1-[2-クロロ-4-(4-クロロフェノキシ)フェニル]-2-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)エタノール】をジフェノコナゾールに換算したものの和とする。今回の改正に当たり、残留の規制対象に変更はない。
⑻ 今回残留基準値を設定するチアムリンとは、鶏の卵にあってはチアムリンのみとし、その他の食品にあっては加水分解により8-α-ヒドロキシムチリンに変換される代謝物を8-α-ヒドロキシムチリンに換算したものとする。なお、改正前の残留の規制対象は、チアムリンのみとしている。今回の改正に当たり、鶏の卵については残留の規制対象に変更はない。
⑼ 今回残留基準値を設定するピラジフルミドとはピラジフルミドのみとする。今回の改正に当たり、残留の規制対象に変更はない。
⑽ 今回残留基準値を設定するフルチアニルとはフルチアニルのみとする。
今回の改正に当たり、残留の規制対象に変更はない。
⑾ 今回残留基準値を設定するフロメトキンとはフロメトキンのみとする。
今回の改正に当たり、残留の規制対象に変更はない。
⑿ 今回残留基準値を設定するホルペットとはホルペットのみとする。今回の改正に当たり、残留の規制対象に変更はない。
⒀ 今回残留基準値を設定するマンジプロパミドとはマンジプロパミドのみとする。今回の改正に当たり、残留の規制対象に変更はない。
⒁ 「干しぶどう」に設定されているマンジプロパミドの残留基準値については、改正前の残留基準値を削除としている。なお、「干しぶどう」で農薬が検出された場合には、当該加工品の加工工程を考慮して、原材料中の濃度に換算し、「ぶどう」の残留基準値への適・不適を確認する。
⒂ 「とうがらし(乾燥させたもの)」に設定されているマンジプロパミドの残留基準値については、改正前の残留基準値を削除としている。なお、「とうがらし(乾燥させたもの)」で農薬が検出された場合には、当該加工品の加工工程を考慮して、原材料中の濃度に換算し、「その他のなす科野菜」の残留基準値への適・不適を確認する。
⒃ 今回残留基準値を設定するメタフルミゾンとは、農産物にあってはメタフルミゾン(E体)、メタフルミゾン(Z体)及び代謝物D【p-[m-(トリフルオロメチル)フェナシル]ベンゾニトリル】をメタフルミゾンに換算したものの和とし、畜水産物にあってはメタフルミゾン(E体)及びメタフルミゾン(Z体)の和とする。今回の改正に当たり、残留の規制対象に変更はない。
⒄ 「とうがらし(乾燥させたもの)」に設定されているメタフルミゾンの残留基準値については、改正前の残留基準値を削除としている。なお、「とうがらし(乾燥させたもの)」で農薬が検出された場合には、当該加工品の加工工程を考慮して、原材料中の濃度に換算し、「その他のなす科野菜」の残留基準値への適・不適を確認する。
⒅ 今回残留基準値を設定するメピコートクロリドとはメピコートクロリドのみとする。今回の改正に当たり、残留の規制対象に変更はない。
2 試験法関係
検体から試験に用いる試料を採取するに当たっては、別に規定する場合を除き、「食品に残留する農薬、飼料添加物又は動物用医薬品の成分である物質の試験法について」(平成17年1月24日付け食安発0124001号部長通知)の第1章総則の4.試料採取に従うこと。
3 その他
法に基づく残留基準値の設定に併せ、農薬取締法(昭和23年法律第82号)に基づく農薬ピラジフルミド、農薬フロメトキン及び農薬ホルペットに係る新規農薬登録並びに農薬及び動物用医薬品アバメクチン、動物用医薬品ガミスロマイシン、農薬シアナジン、農薬及び動物用医薬品ジノテフラン、農薬ジフェノコナゾール、農薬フルチアニル、農薬マンジプロパミド、農薬メタフルミゾン並びに農薬メピコートクロリドに係る適用拡大のための変更登録が、今後農林水産省において行われる予定であること。
【生食発0330第6号】(ガミスロマイシン等).pdf