通知

 

生食発1225第4号

平成29年12月25日

都道府県知事

保健所設置市長

特 別 区 長

殿

厚生労働省大臣官房生活衛生・食品安全審議官

 

 

食品、添加物等の規格基準の一部を改正する件について

 

食品、添加物等の規格基準の一部を改正する件(平成29年厚生労働省告示第361号)が本日公布されました。
改正の概要については、下記のとおりですので、関係者への周知をお願いするとともに、その運用に遺漏がないようお取り計らいをお願いします。


第1 改正の概要
1 食品衛生法(昭和22年法律第233号。以下「法」という。)第11条第1項の規定に基づき、農薬イソキサチオン、農薬オキシテトラサイクリン、農薬グリホサート、農薬シクラニリプロール、農薬スルホキサフロル、農薬ニテンピラム、農薬パクロブトラゾール、農薬フェンピラザミン、農薬フルトラニル及び農薬ボスカリドについて、食品中の残留基準値を設定したこと(別紙参照)。
2 法第11条第1項の規定に基づき、食品において「不検出」とされる農薬等の成分である物質として規定されているジエチルスチルベストロールにおける試験法を改正したこと。
   
第2 適用期日
公布の日から適用すること。ただし、ジエチルスチルベストロール試験法については、公布の日から6月以内に限り、なお従前の例によることができ、下表の農薬等ごとに掲げる食品に係る残留基準値については、公布の日から6月以内に限り、なお従前の例によること。

農薬等
食品
イソキサチオン
米、小麦、大麦、ライ麦、そば、その他の穀類、大豆、小豆類、えんどう、そら豆、らっかせい、その他の豆類、ばれいしょ、さといも類、かんしょ、やまいも、こんにゃくいも、その他のいも類、さとうきび、かぶ類の根、かぶ類の葉、西洋わさび、クレソン、はくさい、キャベツ、芽キャベツ、ケール、こまつな、きょうな、チンゲンサイ、カリフラワー、ブロッコリー、ごぼう、サルシフィー、アーティチョーク、チコリ、エンダイブ、しゅんぎく、たまねぎ、ねぎ、にんにく、にら、アスパラガス、わけぎ、その他のゆり科野菜、にんじん、パースニップ、パセリ、セロリ、みつば、その他のせり科野菜、トマト、ピーマン、なす、その他のなす科野菜、きゅうり、かぼちゃ、しろうり、すいか、メロン類果実、まくわうり、その他のうり科野菜、ほうれんそう、たけのこ、オクラ、しょうが、未成熟いんげん、マッシュルーム、しいたけ、その他のきのこ類、みかん、なつみかんの果実全体、レモン、オレンジ、グレープフルーツ、ライム、その他のかんきつ類果実、りんご、日本なし、西洋なし、マルメロ、びわ、もも、ネクタリン、あんず、すもも、うめ、おうとう、ラズベリー、ブラックベリー、ブルーベリー、クランベリー、ハックルベリー、その他のベリー類果実、ぶどう、かき、バナナ、キウィー、パパイヤ、アボカド、パイナップル、グアバ、マンゴー、パッションフルーツ、なつめやし、その他の果実、ひまわりの種子、ごまの種子、べにばなの種子、綿実、なたね、その他のオイルシード、ぎんなん、くり、ペカン、アーモンド、くるみ、その他のナッツ類、茶及びその他のハーブ
グリホサート
大豆、未成熟えんどう、未成熟いんげん、しいたけ、その他のきのこ類、その他のスパイス、牛の筋肉、豚の筋肉、その他の陸棲哺乳類に属する動物の筋肉、牛の脂肪、豚の脂肪、その他の陸棲哺乳類に属する動物の脂肪、豚の肝臓、豚の腎臓、豚の食用部分、乳、鶏の筋肉、その他の家きんの筋肉、鶏の脂肪、その他の家きんの脂肪、鶏の肝臓、その他の家きんの肝臓、鶏の腎臓、その他の家きんの腎臓、鶏の食用部分、その他の家きんの食用部分、鶏の卵、その他の家きんの卵、魚介類(さけ目魚類に限る。)、魚介類(うなぎ目魚類に限る。)、魚介類(すずき目魚類に限る。)、魚介類(その他の魚類に限る。)、魚介類(貝類に限る。)、魚介類(甲殻類に限る。)及びその他の魚介類
ニテンピラム
米、小麦、大麦、ライ麦、とうもろこし、そば、その他の穀類、大豆、小豆類、えんどう、そら豆、らっかせい、その他の豆類、さといも類、かんしょ、やまいも、こんにゃくいも、その他のいも類、てんさい、さとうきび、かぶ類の根、かぶ類の葉、西洋わさび、クレソン、はくさい、キャベツ、芽キャベツ、ケール、こまつな、きょうな、チンゲンサイ、カリフラワー、ブロッコリー、その他のあぶらな科野菜、ごぼう、サルシフィー、アーティチョーク、チコリ、エンダイブ、しゅんぎく、レタス、その他のきく科野菜、ねぎ、にんにく、にら、アスパラガス、その他のゆり科野菜、にんじん、パースニップ、パセリ、セロリ、みつば、その他のせり科野菜、トマト、ピーマン、なす、きゅうり、かぼちゃ、しろうり、すいか、メロン類果実、まくわうり、その他のうり科野菜、ほうれんそう、たけのこ、オクラ、しょうが、未成熟えんどう、未成熟いんげん、えだまめ、マッシュルーム、しいたけ、その他のきのこ類、その他の野菜、みかん、なつみかんの果実全体、マルメロ、びわ、ネクタリン、あんず、すもも、うめ、おうとう、いちご、ラズベリー、ブラックベリー、ブルーベリー、クランベリー、ハックルベリー、その他のベリー類果実、かき、バナナ、キウィー、パパイヤ、アボカド、パイナップル、グアバ、パッションフルーツ、なつめやし、その他の果実、ひまわりの種子、ごまの種子、べにばなの種子、綿実、なたね、その他のオイルシード、ぎんなん、くり、ペカン、アーモンド、くるみ、その他のナッツ類、コーヒー豆、カカオ豆、ホップ及びその他のハーブ
パクロブトラゾール
米、ネクタリン、あんず、すもも、うめ、その他のベリー類果実及びアーモンド
フルトラニル
小麦、てんさい、トマト、なす、日本なし、西洋なし、牛の筋肉、豚の筋肉、その他の陸棲哺乳類に属する動物の筋肉、牛の脂肪、豚の脂肪、その他の陸棲哺乳類に属する動物の脂肪、乳、鶏の筋肉、その他の家きんの筋肉、鶏の脂肪、その他の家きんの脂肪、鶏の肝臓、その他の家きんの肝臓、鶏の腎臓、その他の家きんの腎臓、鶏の食用部分、その他の家きんの食用部分、鶏の卵及びその他の家きんの卵
ボスカリド
すいか、メロン類果実及びまくわうり

第3 運用上の注意
1 残留基準値関係
 ⑴ 残留基準値の欄に記載のない食品及び表中にない食品については、一律基準(0.01ppm)が適用される。
⑵ 今回残留基準値を設定するオキシテトラサイクリンについては、食品、添加物等の規格基準(昭和34年厚生省告示370号)第1食品の部 A 食品一般の成分規格の第1項に規定する抗生物質に該当することから、残留基準値の欄に記載のない食品及び表中にない食品については、本剤を含有するものであってはならない。ただし、オキシテトラサイクリンに係る残留基準が定められていない食品のうち、「オキシテトラサイクリン,クロルテトラサイクリン及びテトラサイクリン」に係る残留基準が定められている食品については、当該基準が適用される。
⑶ 今回残留基準値を設定するグリホサートとは、農産物(大豆、とうもろこし及びなたねに限る。)及び畜産物にあってはグリホサート及びN-アセチルグリホサートをグリホサートに換算したものの和とし、農産物(大豆、とうもろこし及びなたねを除く。)にあってはグリホサートとする。なお、改正前の規制対象はグリホサートのみであり、グリホサートには、グリホサート、グリホサートアンモニウム塩、グリホサートイソプロピルアミン塩、グリホサートトリメシウム塩及びグリホサートナトリウム塩が含まれる。今回の改正に当たり、農産物(大豆、とうもろこし及びなたねを除く。)及び魚介類においては残留の規制対象に変更はない。
⑷ 「綿実油(食用植物油脂の日本農林規格に規定する精製綿実油,綿実サラダ油及びこれらと同等以上の規格を有すると認められる食用油に限る。)」及び「綿実油(食用植物油脂の日本農林規格に規定する精製綿実油,綿実サラダ油及びこれらと同等以上の規格を有すると認められる食用油を除く。)」に設定されているグリホサートの残留基準値については、改正前の残留基準値を削除としている。なお、「綿実油」で農薬が検出された場合には、当該加工品の加工工程を考慮して、原材料中の濃度に換算し、「綿実」の残留基準値への適・不適を確認する。
⑸ 今回残留基準値を設定するスルホキサフロルとは、各異性体の和とする。
⑹ 今回残留基準値を設定するニテンピラムとは、ニテンピラム並びにCPMA【2-[N-(6-クロロ-3-ピリジルメチル)-N-エチル]アミノ-2-メチルイミノ酢酸】及びCPMF【N-(6-クロロ-3-ピリジルメチル)-N-エチル-N'-メチルホルムアミジン】をニテンピラムに換算したものの和とする。
⑺ 今回残留基準値を設定するフルトラニルとは、農産物及び魚介類にあってはフルトラニルとし、畜産物にあってはフルトラニル及び加水分解により2-トリフルオロメチル安息香酸に変換される代謝物をフルトラニルに換算したものの和とする。なお、改正前の規制対象は、農産物及び魚介類においてはフルトラニルのみであり、畜産物においてはフルトラニル及び代謝物D【α,α,α-トリフルオロ-3'-ヒドロキシ-o-トルアニリド】をフルトラニルに換算した和としている。また、代謝物Dにおいては、遊離体、グルクロン酸抱合体及び硫酸抱合体が含まれるものとしている。今回の改正に当たり、農産物及び魚介類においては残留の規制対象に変更はない。
⑻ 「精米」に設定されているフルトラニルの残留基準値については、改正前の残留基準値を削除としている。なお、「精米」で農薬が検出された場合には、当該加工品の加工工程を考慮して、原材料中の濃度に換算し、「米(玄米をいう。)」の残留基準値への適・不適を確認する。
⑼ 「干しぶどう」に設定されているボスカリドの残留基準値については、改正前の残留基準値を削除としている。なお、「干しぶどう」で農薬が検出された場合には、当該加工品の加工工程を考慮して、原材料中の濃度に換算し、「ぶどう」の残留基準値への適・不適を確認する。
⑽ 「なたね油(食用植物油脂の日本農林規格に規定する精製なたね油,なたねサラダ油及びこれらと同等以上の規格を有すると認められる食用油に限る。)」に設定されているボスカリドの残留基準値については、改正前の残留基準値を削除としている。なお、「なたね油(食用植物油脂の日本農林規格に規定する精製なたね油,なたねサラダ油及びこれらと同等以上の規格を有すると認められる食用油に限る。)」で農薬が検出された場合には、当該加工品の加工工程を考慮して、原材料中の濃度に換算し、「なたね」の残留基準値への適・不適を確認する。
2 試験法関係
検体から試験に用いる試料を採取するに当たっては、別に規定する場合を除き、「食品に残留する農薬、飼料添加物又は動物用医薬品の成分である物質の試験法について」(平成17年1月24日付け食安発0124001号部長通知。)の第1章総則の4.試料採取に従うこと。
3 その他
法に基づく残留基準値の設定に併せ、農薬取締法(昭和23年法律第82号)
に基づく農薬シクラニリプロール及び農薬スルホキサフロルに係る新規農薬登録並びに農薬オキシテトラサイクリン、農薬グリホサート、農薬ニテンピラム、農薬パクロブトラゾール、農薬フェンピラザミン、農薬フルトラニル及び農薬ボスカリドに係る適用拡大のための変更登録が、今後農林水産省において行われる予定である。

【生食発1225第4号】

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