一覧へ戻る 食安発0315第1号 平成24年03月15日 各 都道府県知事 保健所設置市長 特別区長 殿 医薬食品局食品安全部 乳及び乳製品の成分規格等に関する省令の一部を改正する省令、乳及び乳製品の成分規格等に関する省令別表の二の(一)の(1)の規定に基づき厚生労働大臣が定める放射性物質を定める件及び食品、添加物等の規格基準の一部を改正する件について 乳及び乳製品の成分規格等に関する省令の一部を改正する省令(平成24年厚生労働省令第31号)、乳及び乳製品の成分規格等に関する省令別表の二の(一)の(1)の規定に基づき厚生労働大臣が定める放射性物質を定める件(平成24年厚生労働省告示第129号。以下「乳等告示」という。)及び食品、添加物等の規格基準の一部を改正する件(平成24年厚生労働省告示第130号)が本日公布され、これにより乳及び乳製品の成分規格等に関する省令(昭和26年厚生省令第52号。以下「乳等省令」という。)及び食品、添加物等の規格基準(昭和34年厚生省告示第370号。以下「規格基準告示」という。)の一部が改正されたところであるが、その改正の概要等は下記のとおりであるので、当該改正の概要等につき、関係者への周知徹底を図るとともに、その運用に遺憾なきよう取り計らわれたい。 記 第1 改正の概要 平成23年3月の東京電力(株)福島第一原子力発電所の事故を受けて、厚生労働省は食品の安全性を確保する観点から、食品中の放射性物質の暫定規制値を設定し、これを上回る放射性物質が検出された食品については、食品衛生法(昭和22年法律第233号。以下「法」という。)第6条第2号に該当するものとして取り扱ってきた。 暫定規制値に適合している食品については、健康への影響はないと一般的に評価され、安全は確保されているが、厚生労働省としては、より一層、食品の安全と安心を確保するため、食品から許容することのできる放射性セシウムの線量を、現在の年間5ミリシーベルトから年間1ミリシーベルトに引き下げることを基本として、薬事・食品衛生審議会において新たな基準値設定のための検討を進めてきた。平成24年2月24日に行われた同審議会食品衛生分科会において、食品中の放射性物質に係る基準値案が了承されたことを受け、法第11条第1項に基づき、乳等省令及び告示の一部の改正等を行い、食品中の放射性物質の規格基準を設定するものである。 第2 改正等の内容 1 乳及び乳製品の成分規格等に関する省令の一部を改正する省令 別表の二の(一)の(1)の乳等(乳等省令第1条に規定する乳等をいう。)に含有してはならない物質として、厚生労働大臣が定める放射性物質を加えたこと。 2 乳及び乳製品の成分規格等に関する省令別表の二の(一)の(1)の規定に基づき厚生労働大臣が定める放射性物質を定める件 次の各号に掲げる乳等の区分に応じ、含有してはならない放射性物質として、それぞれ当該各号に定める濃度を超えるセシウム(放射性物質のうち、セシウム134及びセシウム137をいう。以下同じ。)を以下のとおり、規定したこと。 (1)乳等省令第2条第1項に規定する乳(以下「乳」という。)及び同条第40項に規定する乳飲料(以下「乳飲料」という。)の濃度は、50Bq/kg。 (2)乳児の飲食に供することを目的として販売するものであって、乳等省令第2条第12項に規定する乳製品(以下「乳製品」という。)(乳飲料を除く。) 並びに乳及び乳製品を主要原料とする食品の濃度は、50Bq/kg。 (3)前2号に掲げる食品以外の乳製品並びに乳及び乳製品を主要原料とする食品の濃度は、100Bq/kg。 3 食品、添加物等の規格基準の一部を改正する件 (1)第1食品の部A食品一般の成分規格の項の1の食品に含有してはならない物質として放射性物質を加えたこと。 (2)食品に含有されるセシウムは、次の表の第1欄に掲げる食品の区分に応じ、それぞれ同表の第2欄に定める濃度を超えるものであってはならないとしたこと。 第1欄 第2欄 ミネラルウォーター類(水のみを原料とする清涼飲料水をいう。) 10Bq/kg 原料に茶を含む清涼飲料水 10Bq/kg 飲用に供する茶 10Bq/kg 乳児の飲食に供することを目的として販売する食品(乳及び乳製品の成分規格等に関する省令(昭和26年厚生省令第52号)第2条第1項に規定する乳及び同条第12項に規定する乳製品並びにこれらを主要原料とする食品(以下この表において「乳等」という。)であって、乳児の飲食に供することを目的として販売するものを除く。) 50Bq/kg 上記以外の食品(乳等を除く。) 100Bq/kg なお、第2欄に定める濃度の測定については、以下の状態で行わなければならないとしたこと。 ① 製造し、又は加工した食品については、原材料だけでなく、製造し、又は加工された状態 ② 飲用に供する茶にあっては、飲用に供する状態 ③ 食用植物油脂品質表示基準(平成12年農林水産省告示第1672号)第2条に規定する食用サフラワー油、食用綿実油、食用こめ油及び食用なたね油にあっては、油脂の状態 ④ 原材料を乾燥し、通常水戻しをして摂取する食品のうち、加工食品品質表示基準(平成12年農林水産省告示第513号)別表2に規定する乾燥きのこ類及び乾燥野菜並びに乾燥させた海藻類及び乾燥させた魚介類等にあっては、水戻しをして食用に供する状態 乾燥きのこ類は、日本標準商品分類(以下「商品分類」という。)に示された乾燥きのこ類のうち、しいたけ、きくらげなどが該当する。乾燥野菜は、商品分類に示された乾燥野菜のうち、フレーク及びパウダーを除くものとし、かんぴょう、割り干しだいこん、切り干しだいこん、ぜんまい、わらび、いもがらなどが該当する。乾燥させた海藻類は、商品分類に示された加工海藻類のうち、こんぶ、干わかめ類、干ひじき、干あらめ、寒天などが該当する。乾燥させた魚介類は、商品分類に示された素干魚介類のうち、本干みがきにしん、棒たら、さめひれなど、煮干魚介類のうち、干あわび、干なまこなどが該当する。 第3 施行・適用期日 1 乳等省令 平成24年4月1日から施行すること。 2 告示関係 平成24年4月1日から適用すること。 ただし、乳等告示の本文の規定にかかわらず、平成24年3月31日までに製造され、加工され、又は輸入された乳及び乳製品並びにこれらを主要原料とする食品のうち、乳及び乳製品に係る放射性物質にあっては200Bq/kgを超える濃度のセシウムを、乳及び乳製品を主要原料とする食品に係る放射性物質にあって500Bq/kgを超える濃度のセシウムを含有してはならないこと。 また、規格基準告示の第1食品の部A食品一般の成分規格の項の規定にかかわらず、平成24年3月31日までに製造され、加工され、又は輸入された食品のうち、清涼飲料水(果実飲料品質表示基準(平成12年農林水産省告示第1683号)第2条に規定する果実飲料、にんじんジュース及びにんじんミックスジュース品質表示基準(平成12年農林水産省告示第1634号)第2条に規定するにんじんジュース及びにんじんミックスジュース並びにトマト加工品品質表示基準(平成12年農林水産省告示第1632号)第2条に規定するトマトジュース、トマトミックスジュース及びトマト果汁飲料を除く。以下同じ。)及び酒税法(昭和28年法律第6号)第2条第1項に規定する酒類(以下「酒類」という。)(いずれも米、牛の筋肉、脂肪、肝臓、腎臓及び食用に供される部分(筋肉、脂肪、肝臓及び腎臓を除く。以下「食用部分」という。)並びに大豆を原材料とするものを除く。)にあっては200Bq/kg、同日までに製造され、加工され、又は輸入された食品(清涼飲料水、酒類、米、牛の筋肉、脂肪、肝臓、腎臓及び食用部分される肉、脂肪、肝臓及び腎臓を除く。以下「食 用部分」という。)並びに大豆並びに米、牛の筋肉、脂肪、肝臓、腎臓及び食用部分並びに大豆を原材料として製造され、加工され、又は輸入された食品を除く。)にあっては500Bq/kg、米並びに牛の筋肉、脂肪、肝臓、腎臓及び食用部分にあっては500Bq/kg(平成24年9月30日までの間に限る。)、米並びに牛の筋肉、脂肪、肝臓、腎臓及び食用部分を原材料として平成24年9月30日までに製造され、加工され、又は輸入された食品(清涼飲料水及び酒類を除く。)にあっては500Bq/kg、米並びに牛の筋肉、脂肪、肝臓、腎臓及び食用部分を原材料として平成24年9月30日までに製造され、加工され、又は輸入された清涼飲料水及び酒類にあっては200Bq/kg、大豆にあっては500Bq/kg(平成24年12月31日までの間に限る。)、大豆を原材料として平成24年12月31日までに製造され、加工され、又は輸入された食品(清涼飲料水及び酒類を除く。)にあっては500Bq/kg、大豆を原材料として平成24年12月31日までに製造され、加工され、又は輸入された清涼飲料水及び酒類にあっては200Bq/kgを超える濃度のセシウムを含有するものであってはならないものとしたこと。第4 その他の留意事項 1 規格基準告示の第1欄に定める茶の範囲 チャノキの茶葉とすること。ただし、発酵工程を経た茶葉は除くものとしたこと。 2 「乳児用食品」の範囲 (1)法に基づく規格基準において規定された「乳児用食品」の対象となる「乳児」の年齢については、児童福祉法等に準じて「1歳未満」をその対象とすること。 (2)一般消費者がその表示内容等により乳児(1歳未満)向けの食品であると認識する可能性が高いものとすること。 (3)消費者庁において、法に基づく乳児用食品の表示に関する基準が設定される予定であること。 3 食品取扱施設で使用する水は、水道水中の放射性物質に係る管理目標値の設定がされることを踏まえ、適切に管理されたいこと。 4 試験法関係 食品中の放射性物質の試験法については、別途通知することとしていること。 第5 消費者等への情報提供 食品中の放射性物質については、厚生労働省ホームページにおいてQ&Aを掲載し、消費者等に対して情報提供を行う予定であるので、貴職においても情報提供に際し活用されたいこと。参照:事務連絡120330.pdf 一覧へ戻る