食品、添加物等の規格基準の一部を改正する件について
食品、添加物等の規格基準の一部を改正する件(平成19年厚生労働省告示第73号)が本日公布、適用され、これにより食品、添加物等の規格基準(昭和34年厚生省告示第370号)の一部が改正されたので、下記の事項に留意の上、その運用に遺憾のなきよう取り計らわれたい。
記
第1 改正の概要
第2 添加物の部が全面的に改正されたこと。
第2 改正の要点
改正の主な内容は次の通りであること。
1.A 通則中の主な改正事項
(1)モル毎リットル及びミリモル毎リットルをそれぞれ「mol/L」、「mmol/L」と記載することとした。
(2)冷所及び冷水の定義を変更した。
2.B 一般試験法中の主な改正事項
(1)ガスクロマトグラフィーにおいて、必要ならばヘッドスペース用試料導入装置等を用いることを明記した。また、標準添加法による定量法を追加した。
(2)「吸光度測定法」を「紫外可視吸光度測定法」に、「原子吸光度測定法」を「原子吸光光度法」に、「沸点及び留分の測定法」を「沸点測定法及び蒸留試験法」に、それぞれ名称を変更した。
(3)香料試験法の9.香料のガスクロマトグラフィーにおいて、検出器として熱伝導度検出器を用いることを追加した。
(4)水分測定法において、水分測定用陽極液及び水分測定用陰極液の調製法を追加した。
(5)赤外吸収スペクトル測定法において、操作法及び測定法の変更を行った。
(6)薄層クロマトグラフィーにおいて、既製薄層板の使用を可とした。
(7)微生物限度試験法において、好乾菌用の培地の追加、液体培地段階希釈法の変更などを行った。
(8)油脂類試験法において、ヨウ素価の試験法を追加した。
3.C 試薬・試液等中の主な改正事項
(1)試薬・試液において、日本工業規格試薬の規格に適合するものについては、その規格番号を付記した。
(2)試薬・試液、容量分析用標準液、標準液、標準品及び参照赤外吸収スペクトルについて、追加、修正等を行った。
(3)浸線付温度計の規定を変更した。
4.D 成分規格・保存基準各条の主な改正事項
(1)次の規格を新たに設定した。
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アカキャベツ色素、N-アセチルグルコサミン、5'-アデニル酸、L-アラビノース、myo-イノシトール、エンジュ抽出物、貝殻焼成カルシウム、活性白土、カードラン、カンゾウ抽出物、クチナシ青色素、クチナシ赤色素、クチナシ黄色素、α-グルコシルトランスフェラーゼ処理ステビア、酵素処理イソクエルシトリン、酵素処理ヘスペリジン、酵素分解レシチン、酵母細胞壁、骨炭、サイリウムシードガム、酸性白土、シアノコバラミン、α-シクロデキストリン、γ-シクロデキストリン、5'-シチジル酸、しらこたん白質抽出物、ステビア抽出物、スピルリナ色素、粗製海水塩化マグネシウム、タウリン(抽出物)、タマリンドシードガム、タラガム、ツヤプリシン(抽出物)、デキストラン、トコトリエノール、d-γ-トコフェロール、d-δ-トコフェロール、トマト色素、納豆菌ガム、ナリンジン、パラフィンワックス、微小繊維状セルロース、フクロノリ抽出物、プルラン、ベタイン、ヘマトコッカス藻色素、ヘム鉄、ベントナイト、ε-ポリリシン、マイクロクリスタリンワックス、マクロホモプシスガム、ムラサキイモ色素、ムラサキトウモロコシ色素、メナキノン(抽出物)、ヤマモモ抽出物、ユッカフォーム抽出物、ラカンカ抽出物、ラック色素、ラノリン、ラムザンガム、卵殻焼成カルシウム、リゾチーム、D-リボース、ルチン酵素分解物 |
(2)食用赤色104号及び食用赤色105号にヘキサクロロベンゼンの純度試験を追加した。
(3)試験に用いられる有害試薬の排除、国際的な規格との整合化、流通実態の反映を目的とし、確認試験や純度試験等の改正を行った。
(4)既存添加物の基原である動植物、微生物の定義の明確化のため、これらに学名を付記した。
(5)複数の水和物をもつ品目について、それぞれの水和物毎に該当するCAS登録番号を付記した。また、該当するCAS登録番号がない場合には、「○○,無水物」のように無水物のCAS登録番号を参考として付記した。
(6)一部の品目について、確認試験として赤外吸収スペクトル測定法を採用した。
(7)主成分の化学構造式と化学名を見直した。5.上記の改正に伴い、その他所要の改正を行った。
第3 適用期日
公布の日から適用すること。ただし、平成20年3月31日までに製造、加工又は輸入される添加物に係る第2添加物の部の適用については、なお従前の例によることができること。
第4 運用上の注意
1.添加物の製造、加工、輸入等本改正に係る事項について、関係業者に対して周知徹底されたいこと。
2.新規に規格が設定された添加物を製造する営業を営もうとする者は、食品衛生法(昭和22年法律第233号)第52条に基づき、添加物製造業の許可を受けなければならないこと(ただし、平成20年3月31日までの間は、なお従前の例によることができる。)。
3.新規に規格が設定された添加物の製造又は加工を行う営業者は、食品衛生法第48条に基づき、食品衛生管理者を置かなければならないこと(ただし、平成20年3月31日までの間は、なお従前の例によることができる。)。