食品に残留する農薬、飼料添加物又は動物用医薬品の成分である物質の試験法について
食品、添加物等の規格基準(昭和34年厚生省告示第370号。以下「告示」という。)の第1食品の部A 食品一般の成分規格の6 の(1)の表の第1欄に掲げる農薬、飼料添加物又は動物用医薬品(以下「農薬等」という。)の成分である物質(以下単に「農薬等の成分である物質」という。)の試験法(同表第3欄に「不検出」と定めているものに係るものを除く。)については、本日付け食安発第0124001号厚生労働省医薬食品局食品安全部長通知(以下「部長通知」という。)をもって通知したところであるが、更に下記の点に留意の上、その取扱いに際し遺漏のなきようにされたい。
記
第1 変更事項等
1 部長通知によって試験法を定めるに際し、新たな試験法としてエチプロール試験法、ボスカリド試験法(農産物)及びボスカリド試験法(畜産物)を定め、さらにこれまで通知によって定められていた試験法を盛り込むとともに、これまで乳及び乳製品の成分規格等に関する省令(昭和26年厚生省令52号。以下「乳等省令」という。)又は告示によって定められていた個別の試験法について、以下のとおり変更等を行うこと。なお、(1)~(4)において試験対象の農薬等の成分である物質から削除した2,4,5-T、カプタホール、シヘキサチン及びエンドリンの試験法については、従来どおり告示によって定めていること。
(1) 告示によって定められていた2,4-D 及び2,4,5-T 試験法について、試験対象の農薬等の成分である物質から2,4,5-T を削除し、2,4-D 試験法に変更すること。
(2) 告示によって定められていたカプタホール、キャプタン、クロルベンジレート、クロロタロニル及びホルペット試験法について、試験対象の農薬等の成分である物質からカプタホールを削除し、キャプタン、クロルベンジレート、クロロタロニル及びホルペット試験法に変更すること。
(3) 告示によって定められていた酸化フェンブタスズ及びシヘキサチン試験法について、試験対象の農薬等の成分である物質からシヘキサチンを削除し、酸化フェンブタスズ試験法に変更すること。
(4) 告示によって定められていたBHC、DDT、アルドリン、エンドリン、ジコホール、ディルドリン、テフルトリン、トリフルラリン、ハルフェンプロックス及びフェンプロパトリン試験法について、試験対象の農薬等の成分である物質からエンドリンを削除し、BHC、DDT、アルドリン、ジコホール、ディルドリン、テフルトリン、トリフルラリン、ハルフェンプロックス及びフェンプロパトリン試験法に変更すること。
(5) 乳等省令又は告示によって成分規格毎に定められていたイソメタミジウム試験法、オキシテトラサイクリン、クロルテトラサイクリン及びテトラサイクリン試験法、ゲンタマイシン試験法、ジヒドロストレプトマイシン、ストレプトマイシン、スペクチノマイシン及びネオマイシン試験法、スルファジミジン試験法、セフチオフル試験法、チアベンダゾール及び5-プロピルスルホニル-1H-ベンズイミダゾール-2-アミン試験法並びにベンジルペニシリン試験法について、当該試験法ごとに整理すること。
(6) 告示によって成分規格ごとに定められていたフルベンダゾール試験法について、フルベンダゾール試験法として整理すること。
(7) 乳等省令又は告示によって成分規格ごとに定められていたシロマジン試験法、スピラマイシン試験法、チルミコシン試験法並びにシロマジン、スピラマイシン及びチルミコシン試験法について、シロマジン試験法(農産物)、シロマジン試験法(畜産物)、スピラマイシン試験法及びチルミコシン試験法として整理するが、乳等省令によって定められていた試験法の対象物質であるシロマジン、スピラマイシン及びチルミコシンについては、それぞれの試験法によって同時に試験を実施することが可能であること。
(8) 乳等省令又は告示によって成分規格ごとに定められていたエプリノメクチン試験法並びにイベルメクチン、エプリノメクチン及びモキシデクチン試験法について、イベルメクチン、エプリノメクチン及びモキシデクチン試験法として整理すること。
(9) カルプロパミド試験法、メトプレン試験法及びマレイン酸ヒドラジド試験法1について、定量限界を改めること。
2 部長通知によって定められる試験法のうち、これまで乳等省令又は告示によって定められていた試験法全体について、以下のとおり変更等を行うこと。
(1) 農薬の試験法について、無水硫酸ナトリウムを用いた脱水のための放置時間を15分に統一すること。
(2) これまで乳等省令及び告示によって定められていた試験法に関連して発出してきた通知において分析する際の注意事項として示してきた内容について、試験法の「留意事項」の項に記載すること。
(3) (1)及び(2)に掲げるほか、試験法の説明で使用される語句等について、所要の変更を行うこと。
第2 運用上の留意事項
マレイン酸ヒドラジド試験法として、告示によって定められていた吸光光度法(以下「告示試験法」という。)及び平成16年2月25日付け食安発第0225002号厚生労働省医薬食品局食品安全部長通知によって定められていたガスクロマトグラフで分析する方法(以下「通知試験法」という。)の二つを定めるが、それぞれの試験法における分析対象化合物が異なっていることから、マレイン酸ヒドラジドの分析に際しては、これまでの試験実績も踏まえ、優先的に告示試験法によって試験を実施することとし、感度が得られない場合等に通知試験法によって試験を実施すること。