通知

 

環食化第541号、環食化第541号

昭和48年07月20日

都道府県知事

政令市長

特別区長

環境衛生局

 

 

食品,添加物等の規格基準の一部改正について

 
 食品衛生法(昭和22年法律第233号)第10条第1頃の規定に基づき,食品,添加物等の規格基準(昭和34年12月厚生省告示第370号)の一部が,昭和48年6月22日厚生省告示第178号をもって別添のとおり改正され,昭和49年1月1日から適用されることとなったので,下記事項にご留意のうえ,運用に遺憾のないようにされたい。
  


第1 改正の要旨1 塩化ビニル樹脂製の器具および容器包装について,従来,合成樹脂製の器具および容器包装については包括的にその規格が定められていたが,今回,合成樹脂製のもののうち,塩化ビニル樹脂製のものについて別に規格を定めたもので,その骨子は次のとおりであること。(1) 材質試験カドミウム,鉛およびジブチルスズ化合物ならびにクレゾールリン酸エステルについて規定したこと。(2) 溶出試験
ア 重金属,蒸発残留物および過マンガン酸カリウム消費量について規定したこと。
イ 蒸発残留物については,食品を油脂および脂肪性食品,酒類,油脂および脂肪性食品ならびに酒類以外の食品に分類し,それぞれについて溶媒を指定しその浸出溶液について試験を行なうこととしたこと。
ウ 金属および過マンガン酸カリウム消費量については,従来の合成樹脂製のものの規格を準用することとしたこと。2 ガラス製の器具および容器包装について今回,新たにガラス製の器具および容器包装の規格を定め,これらから溶出する鉛,ヒ素,およびアルカリについて規定したこと。   
第2 運用上の注意
   
 塩化ビニル樹脂製の器具および容器包装の規格については次のことに注意して運用されたいこと。1 材質試験においてカドミウム等の規定を設けた趣旨はカドミウム系,鉛系およびジブチルスズ系安定剤ならびにクレゾールリン酸エステル系可塑剤を食品用の塩化ビニル樹脂成分から排除するためである。この規格におけるカドミウム,鉛およびジブチルスズ化合物の限度はそれぞれ100ppm以下,クレゾールリン酸エステルの限度は1000ppm以下であるが,これらの限度は,試験を簡易化するために上記の安定剤または可塑剤の実用性が全く認められない濃度において設定されたものであるから,その趣旨にのっとり,これらの物質は使用しないよう指導されたいこと。
2 油脂及び脂肪性食品とは,食品中又は食品表面の油脂含量がおおむね20%以上であって,乾燥した固型食品以外の食品をいうこと。
3 酒類とは,アルコール分1%以上を含有する飲料をいうこと。  
第3 その他1 塩化ビニル樹脂製の器具および容器包装に使用できる添加剤については,従釆より別添資料に基づき,業界を指導してきたところであるが,今後もこれに基づいて指導されたいこと。
2 参考事項(1)カドミウム系および鉛系の化合物を安定剤として使用する場合には,通常塩化ビニル樹脂に対して1~3%が必要であること。
(2)ジブチルスズ化合物を安定剤として使用する場合には,通常塩化ビニル樹脂に対して1~2%が必要であること。
(3)クレゾールリン酸エステルを可塑剤として使用する場合には,通常塩化ビニル樹脂に対して20~50%が必要であること。     


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