一覧へ戻る 平成17年08月12日 薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会、乳肉水産食品部会 妊婦への魚介類の摂食と水銀に関する注意事項(案) 妊婦への魚介類の摂食と水銀に関する注意事項(案) 魚介類(鯨類を含む。以下同じ)は、良質なたんぱく質や、生活習慣病の予防や脳の発育等に効果があるといわれている、等の高度不飽和脂肪酸をその他の食EPA DHA品に比べ一般に多く含み、また、カルシウムを始めとする各種の微量栄養素の摂取源である等、健康的な食生活にとって不可欠で優れた栄養特性を有しています。<魚介類の水銀> 魚介類は自然界の食物連鎖を通じて、特定の地域等にかかわりなく、微量の水銀を含有していますが、その含有量は一般に低いので健康に害を及ぼすものではありません。しかしながら、一部の魚介類については、食物連鎖を通じて、他の魚介類と比較して水銀濃度が高いものも見受けられます。<妊婦の方々へ> 近年、魚介類を通じた水銀摂取が胎児に影響を与える可能性を懸念する報告がなされています。この胎児への影響は、例えば音を聞いた場合の反応が1/1,000秒以下のレベルで遅れるようになるようなもので、あるとしても将来の社会生活に支障があるような重篤なものではありません。妊娠している方又は妊娠している可能性のある方( 以下「妊婦」という。)は、次の事項に注意しつつ、魚介類を摂食するよう心がけましょう。。 わが国における食品を通じた平均の水銀摂取量は、食品安全委員会が公表した妊婦を対象とした耐容量の6割程度であって、一般に胎児への影響が懸念されるような状況ではありません。 魚介類は健やかな妊娠と出産に重要である栄養のバランスのよい食事に欠かせないものです。本注意事項は、妊婦の方々に水銀濃度が高い魚介類を食べないように要請するものではありません。また、本注意事項は胎児の保護を第一に、食品安全委員会の評価を踏まえ、魚介類の調査結果等からの試算を基に作成しました。水銀濃度が高い魚介類を偏って多量に食べることは避けて、水銀摂取量を減らすことで魚食のメリットと両立することを期待します。 妊婦が注意すべき魚介類の種類とその摂食量の目安 摂食量の目安 魚介類 1回約80g として妊婦は2ヶ月に1回まで(1週間当たり10 g程度) バンドウイルカ 1回約80g として妊婦は2週間に1回まで(1週間当たり40 g程度) コビレゴンドウ 1回約80 gとして妊婦は週に1回まで(1週間当たり80 g程度) キンメダイメカジキクロマグロメバチ(メバチマグロ)エッチュウバイガイツチクジラマッコウクジラ 1回約80 gとして妊婦は週に2回まで(1週間当たり160 g程度) キダイクロムツマカジキユメカサゴミナミマグロヨシキリザメ(筋肉)イシイルカ (参考1 ) マグロの中でも 、キハダ、ビンナガ、メジマグロ(クロマグロの幼魚)、ツナ缶は通常の摂食で差し支えありません。バランスよく摂食して下さい。(参考2) 魚介類の消費形態ごとの一般的な重量は次のとおりです。 寿司、刺身 一貫又は一切れ当たり 15g程度 刺身 一人前当たり 80g程度 切り身 一切れ当たり 80g程度 例えば、週に1回と注意事項に記載されている魚介類のうち、2種類または3種類を同じ週に食べる際には、食べる量をそれぞれ2分の1または3分の1にするといった工夫をしましょう。また、ある週に食べ過ぎた場合は次の週に量を減らしましょう。<子供や一般の方々へ> 今回の注意事項は胎児の健康を保護するためのものです。子供や一般の方々については、通常食べる魚介類によって、水銀による健康への悪影響が懸念されるような状況ではありません。健康的な食生活の維持にとって有益である魚介類をバランス良く摂取してください。<正確な理解のお願い> 魚介類は一般に人の健康に有益であり、本日の妊婦への注意事項が魚介類の摂食の減少やいわゆる風評被害につながらないように正確に理解されることを期待します。 なお、今後とも科学技術の進歩にあわせて、本注意事項を見直すこととしています。 本注意事項は、今後、国民への意見募集やそれを踏まえた検討の後に確定するものです。報道等にあたっては、いわゆる風評被害が生じることのないよう御配慮方よろしくお願いします。 妊婦への魚介類の摂食と水銀に関する注意事項の見直しについて(平成17年8月現在) 医薬食品局食品安全部基準審査課 一覧へ戻る