薬事・食品衛生審議会資料

 

薬食審第0327004号

平成14年03月27日

薬事・食品衛生審議会

 

 

食品添加物の指定等に関する薬事・食品衛生審議会の答申について

 
食品添加物の指定等に関する薬事・食品衛生審議会の答申について
厚生労働大臣   坂口 力 殿
 平成12年11月30日付厚生省発生衛第328号をもって諮問のあった食品添加物の指定等については、下記のとおり答申する。


 電解水については、人の健康を損なうおそれはないことから、食品添加物として指定することは、差し支えない。なお、指定に当たっては、名称を「次亜塩素酸水」とし、別添1のとおり使用基準及び成分規格を設定することが適当である。
 ステアロイル乳酸カルシウムについては、別添2のとおり使用基準を改正することが適当である。


(別添1)

次亜塩素酸水の使用基準

 最終食品の完成前に除去すること。

次亜塩素酸水の成分規格

定義 本品は、塩酸または食塩水を電気分解することにより得られる次亜塩素酸を主成分とする水溶液である。本品には、強酸性次亜塩素酸水(0.2%以下の塩化ナトリウム水溶液を有隔膜電解槽内で電気分解して、陽極側から得られる水溶液)及び微酸性次亜塩素酸水(2~6%塩酸を無隔膜電解槽内で電気分解して、得られる水溶液)がある。
含量 強酸性次亜塩素酸水 本品は、有効塩素20~60 mg/kgを含む。
微酸性次亜塩素酸水 本品は、有効塩素10~30 mg/kgを含む。
性状 本品は、無色の液体で、無臭又は塩素のにおいがある。
確認試験
(1) 本品5 mlに水酸化ナトリウム溶液(1→2,500)1 ml及びヨウ化カリウム試液0.2 mlを加えるとき、液は黄色となり、これにデンプン試液0.5 mlを加えるとき、液は濃青色を呈する。
(2) 本品5 mlに過マンガン酸カリウム溶液(1→300)0.1 mlを加え、これに硫酸(1→20)1 mlを加えるとき、液の赤紫色は退色しない(亜塩素酸塩との区別)。
(3) 本品90 mlに水酸化ナトリウム溶液(1→5)10 mlを加えたものは、波長290~294 nmに極大吸収部がある。
純度試験
(1) 液性  強酸性次亜塩素酸水  pH 2.7以下
 微酸性次亜塩素酸水  pH 5.0~6.5
(2) 蒸発残留物  0.25%以下。 本品20.0 gを量り、蒸発した後、110℃で2時間乾燥し、その残留物の重量を量る。
定量法 強酸性次亜塩素酸水
 本品約200 gを精密に量り、ヨウ化カリウム2 g及び酢酸 (1→4) 10 mlを加え、直ちに密栓して暗所に15分間放置し、遊離したヨウ素を0.01 mol/lチオ硫酸ナトリウム溶液で滴定する(指示薬 デンプン試液)。別に空試験を行い補正する。
 0.01 mol/lチオ硫酸ナトリウム溶液1 ml = 0.35453 mg Cl

微酸性次亜塩素酸水
 本品約200 gを精密に量り、ヨウ化カリウム2 g及び酢酸 (1→4) 10 mlを加え、直ちに密栓して暗所に15分間放置し、遊離したヨウ素を0.005 mol/lチオ硫酸ナトリウム溶液で滴定する(指示薬 デンプン試液)。別に空試験を行い補正する。
 0.005 mol/lチオ硫酸ナトリウム溶液1 ml = 0.17727 mg Cl



(別添2)

ステアロイル乳酸カルシウムの使用基準

 ステアロイル乳酸カルシウムは、菓子(小麦粉を原料とし、ばい焼したもの又は油脂で処理したものに限る。)、生菓子(米を原料としたものに限る。以下この目において同じ。)、パン、ミックスパウダー(菓子、生菓子、パン、蒸しパン(小麦粉を原料とし、蒸したパンをいう。以下この目において同じ。)又は蒸しまんじゅう(小麦粉を原料とし、蒸したまんじゅうをいう。以下この目において同じ。)の製造に用いるものに限る。)、蒸しパン、蒸しまんじゅう及びめん類(即席めん及びマカロニ類以外の乾めんを除く。以下この目において同じ。)以外の食品に使用してはならない。
 ステアロイル乳酸カルシウムの使用量は、ステアロイル乳酸カルシウムとして、生菓子の製造に用いるミックスパウダーにあってはその1kgにつき10g以下、スポンジケーキ及びバターケーキ並びに蒸しパンの製造に用いるミックスパウダーにあってはその1kgにつき8.0g以下、生菓子にあってはその1kgにつき6.0g以下、菓子(油脂で処理したものに限る。)の製造に用いるミックスパウダー、スポンジケーキ、バターケーキ、パンの製造に用いるミックスパウダー及び蒸しパンにあってはその1kgにつき5.5g以下、菓子(小麦粉を原料とし、ばい焼したものに限る。ただし、スポンジケーキ及びバターケーキを除く。)の製造に用いるミックスパウダーにあってはその1kgにつき5.0g以下、めん類(マカロニ類を除く。)にあってはゆでめんとして、1kgにつき4.5g以下、菓子(小麦粉を原料とし、ばい焼したもの又は油脂で処理したものに限る。ただし、スポンジケーキ及びバターケーキを除く。)、パン及びマカロニ類にあってはその1kg(マカロニ類にあっては乾めんとして、1kg)につき4.0g以下、蒸しまんじゅうの製造に用いるミックスパウダーにあってはその1kgにつき2.5g以下、蒸しまんじゅうにあってはその1kgにつき2.0g以下でなければならない。


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