一覧へ戻る 平成11年12月21日 食品衛生調査会毒性部会・添加物部会合同部会 食品衛生調査会毒性部会・添加物部会合同部会の資料 (資料3) ステビア抽出物の安全性評価について (資料3) ステビア抽出物の安全性評価について (経緯)・平成10年 6月 第51回 JECFA(FAO/WHO合同食品添加物専門家会議)・平成11年 6月 EU委員会・平成11年10月 EU委員会の報告書「甘味料としてのステビア抽出物に関する意見」が公表・平成11年11月 マスコミ等でステビア抽出物について取り上げられ、安全性を疑問視する内容が報道された。(概要) 第51回JECFA会議及びEU委員会において、ステビア抽出物に関する評価が行われ、現時点では、資料が不足しており、ADI設定には至っていない。 本件について事務局で、調査し、入手した資料等に基づき、現時点での考え方及び今後の対応について検討したので報告する。(別添)-ステビア抽出物概要-1.我が国の取り扱い ステビア抽出物及びステビア末は、既存添加物名簿に収載されており、使用が認められている食品添加物である。・平成8年林班の厚生科学研究報告書「既存添加物の安全性評価に関する調査研究」ステビア抽出物についての安全性評価結果が公表されている。・日本食品添加物協会で自主規格が設定されている。2.JECFAの評価-第51回会議(1998年6月開催)・ADIを設定するためには資料が不足している。・再評価を行うにあたっては、「規格の設定と人での代謝試験、ステビオールに関する invivoでの変異原性試験が必要である。」としており、さらなるデータの提出を求めている。3.EU委員会の評価-1999年6月採択・試験に使用されたステビアの純度が明確でない。・代謝物であるステビオールについては、in vitro で変異原性が陽性との結果がある。小核試験において陰性との結果もあるが、代謝試験さらなる変異原性試験が必要である。・雄精巣への影響が認められ、発ガン性試験については、F344系以外のラットを用いた評価が必要である。・ステビオールで繁殖毒性(特に雄精巣への影響)が認められており、ステビアの純度等を明確にした上再試験が必要である。 以上から、試験に用いられた試料が不明確であり、得られた実験結果も不十分で、これらのデータでは、ステビアを甘味料として容認することはできない。4.EU委員会への照会結果・ステビア抽出物については、イタリア企業から提出された資料をもとにEU委員会が評価したものである。・現時点では、食品添加物として許可するために必要な全ての資料が提出されていないという認識であり、ステビア抽出物の安全性を疑問視しているものではない。5.専門家のご意見・EUの指摘事項には、事実誤認等もあり、日本で既に評価されたものも含まれていることから、現時点で、ステビア抽出物について毒性学上問題となる知見は認められない。6.今後の課題・EUの指摘に直ちに対応する必要性はないと考えられる。しかし、JECFAの指摘を考慮し、今後、規格の設定、in vivoでの変異原性試験、代謝試験を行うことを検討する。・また、併せて平成8年以降に公表されている論文等を収集することが必要である。 ステビア抽出物とは キク科ステビア(Stevia rebaudiana BERT0NI)の葉より、室温時~熱時水で抽出し、精製して得られたものであり、ステビオサイド及びレバウディオサイドAを主成分とするものである。ショ糖の約200倍の甘味を有し、菓子、飲料等に甘味料として用いられる。 一覧へ戻る