一覧へ戻る 平成11年09月22日 「組換えDNA技術応用食品・食品添加物の安全性評価指針」に適合していることの確認を行うことの可否に関する部会報告書 - 別紙5 DBT418 別紙5 DBT418 報 告 書 品 種:とうもろこし(商品名:「DBT418系統」)性 質:害虫抵抗性、除草剤(グルホシネート)耐性申請者:日本モンサント株式会社開発者:Decalb Genetics Corporation とうもろこしDBT418系統について開発者が行った安全性評価が、「組換えDNA技術応用食品・食品添加物の安全性評価指針」(以下「指針」という。)に適合しているか否かについて検討した。その結果は次のとおりである。1 申請された食品の概要 DBT418系統は、アワノメイガなど特定の鱗翅目害虫の食害を受けずに生育できるとともに、除草剤「グルホシネート(商品名:バスタ、農林水産省:農薬登録番号15769 号)」の影響を受けずに生育できる。 Bacillus thuringiensis subsp.kurstakiが産生する蛋白質(以下「b.t.k.蛋白質」という。)は、アワノメイガなど特定の鱗翅目の昆虫の消化管のみに存在する中腸上皮細胞の特異的受容体と結合して、陽イオン選択的小孔を形成する。その結果、消化プロセスが阻害され、その昆虫は死に至る。また、グルホシネートの有効成分であるphosphinothricin(以下「PPT」という。)は、植物の窒素代謝により生成したアンモニアを無毒化する役割をもっているglutamine synthetase(以下「GS」という。)の活性を特異的に阻害するため、その散布により植物は組織中にアンモニアが蓄積し,枯死する。 DBT418系統には B.thuringiensis subsp. kurstakiのcryIA(c)遺伝子が導入されているため、植物はアワノメイガなどの食害を受けずに生育することができる。また、選択マーカー遺伝子として、PPTをアセチル化して不活化させるphosphinothricin acetyltransferase(以下「 PAT蛋白質」という。)を発現させるbar遺伝子が導入されているため、グルホシネートを散布してもGSは阻害されず、植物は枯死せずに生育することができる。 なお、DBT418系統には、鱗翅目害虫であるススメガ幼虫(Manduca sexta)に対する抵抗性を付与し、また、セリンプロテアーゼインヒビターにより、様々な鱗翅目の害虫に対してcryIA(C)蛋白質の殺虫作用を高めるポテトpinII遺伝子が挿入されているが、不完全な形で挿入されており、発現していないことが確認されている。2 申請された食品が指針の適用範囲内であるか否かについて 指針は、既存のものと同等とみなし得る生産物を、食品・食品添加物として利用する場合に適用される。そこで、とうもろこしDBT418系統の安全性評価が指針に適合しているか否かについて検討する前に、まず、本とうもろこしが指針の適用範囲内であるか否かについて、指針の第1章第3(1)~(4)に従って申請資料の検討を行った。 その結果、申請に際して提出された資料に関する以下の知見からすると、とうもろこしDBT418系統は、既存のとうもろこしと同等とみなし得るものと考えられ、指針の適用範囲内であると判断した。 以下省略 一覧へ戻る