カプタホール

１．品目名：カプタホール（CAPTAFOL）

２．用　途：殺菌剤（ヘテロ系）

３．安全性
　　今回、新たに提出された資料は別添１のとおりであり、その概要は次のとおりである。

　　B6C3F1マウスを用いた混餌（750、1,500、3,000 ppm）投与による96週間の発がん性試験において、3,000 ppm投与群で死亡率の増加が、750 ppm以上投与群で体重増加抑制、心臓重量の増加等が認められる。
　　また、3,000 ppm投与群雌及び1,500 ppm以上投与群雄で心血管内皮腫の増加、1,500 ppm以上の投与群雌及び750 ppm以上の投与群雄で小腸腺癌等が認められる。

　　ICRマウスを用いた混餌（300、1,000、3,000 ppm）投与による110-111週間の発がん性試験において、3,000 ppm投与群でリンパ肉腫、雌で血管肉腫の増加が認められる。

　　SDラットを用いた混餌（75、300、1,200 ppm）投与による２年間の反復投与試験において、1,200 ppm投与群で腎細胞癌、雌で乳腺腫の増加が認められる。

４．ＡＤＩの見直し
　　　今回、新たに提出された資料からみると、本品は動物試験において発がん性（マウス、ラット）が認められており、また、現段階においては、他に無毒性量を評価しうるデータもないことから、ＡＤＩを取り消すことが適当である。

５．基準値案
　　　別添２の基準値案のとおりである。

（別添１）

Ito, N., Ogino, T., Fukushima, S., Shibata, M. and Hagiwara, A.
Carcinogenicity of CAPTAFOL in B6C3F1 mice. Gann, 75, 853-865; October,（1984）.

A.NYSKA, T.WANER, M.PIRAK, E.GORDON, P.BRANCHA, and B.KLEIN, The Renal Carcinogenic effect of MERPAFOL in the Fischer 344 Rat. Vol 25, No.8, 1989, JERUSALEM, ISRAEL.

John A. Quest, Penelope A. Fenner-Crisp, William Burnam, Marion Copley, Kerry L. Dearfield, Karen L. Hamernik, D.Stephen Sanders, Rick J. and Reto Engler. Evaluation of the Carcinogenic Potential of Pesticides. 4. Chloralkylthiodicarboximide Compounds with Fungicidal Activity.
Regulatory Toxicology and Pharmacology 17, 19-34 （1993）.


（別添２）

食　品　規　格　（案）