「組換えDNA技術応用食品・食品添加物の安全性評価指針」に適合していることの確認を行うことの可否に関する食品衛生語査会の答申等について
照会先:厚生省生活衛生局
堺 食品保健課長
担当者:佐原、井関、佐々木(内線 2447、2451)
中山(食品化学課、内線 2483)
組換えDNA技術を応用して製造された5品種の食品及び1品目の食品添加物が「組換えDNA技術応用食品・食品添加物の安全性評価指針(以下、「安全性評価指針」という。)」に適合していることの確認を行うことの可否については、平成9年5月27日付けで、厚生大臣より食品衛生調査会あて諮問したところでありますが、本日付けで、食品衛生調査会より答申されました。
また、あわせて、安全性評価指針に係る後代交配種の取扱いについて、食品衛生調査会より意見具申がなされました。
1 これまでに諮問された食品及び食品添加物について
(1)平成9年5月24日、組換えDNA技術を応用して製造された食品5品種及び食品添加物1品目が安全性評価指針に適合していることを厚生大臣が確認することの可否について、厚生大臣より食品衛生調査会あて諮問され、同日、バイオテクノロジー特別部会あて付議されました。
(2)平成9年10月22日付けでバイオテクノロジー特別部会の報告が提出され、本日、食品衛生調査会より次の食品5品種及び食品添加物1品目について、それぞれ安全性評価指針に沿って安全性評価がなされていると判断する旨答申がなされました。
ア |
対象品種 |
わた(ラウンドアップ・レディー・ワタ) |
性質 |
除草剤耐性 |
申請者 |
日本モンサント株式会社 |
開発者 |
Monsanto Company(米国) |
イ |
対象品種 |
わた(BXN cotton) |
性質 |
除草剤耐性 |
申請者 |
日本モンサント株式会社 |
開発者 |
Calgene Incorporated(米国) |
ウ |
対象品種 |
なたね(MS8RF3) |
性質 |
除草剤耐性 |
申請者 |
ヘキスト・シェーリング・アグレボ株式会社 |
開発者 |
Plant Genetic Systems(ベルギー) |
エ |
対象品種 |
なたね(HCN10) |
性質 |
除草剤耐性 |
申請者 |
ヘキスト・シェーリング・アグレボ株式会社 |
開発者 |
Hoechst Schering AgrEvo GmbH(ドイツ) |
オ |
対象品種 |
トマト |
性質 |
日持ち性の向上 |
申請者 |
麒麟麦酒株式会社 |
開発者 |
Calgene Incorporated(米国) |
カ |
対象品種 |
トマト |
申請者 |
日本ロシュ株式会社 |
開発者 |
F.Hoffmann-La Roche(スイス) |
(3)平成8年10月24日に諮問され、継続審議となっていた次の食品4品種のうち、アからウの3品種については、さらに検討が必要なことから、審議を継続することとされました。
なお、工の品種については、申請者から申請を取消したい旨の申し出がすでになされています。
ア |
対象品種 |
とうもろこし(MON809) |
性質 |
害虫抵抗性 |
申請者 |
パイオニア ハイプレッド ジャパン株式会社 |
開発者 |
Pioneer Hi-Bred Internationa1,Inc.(米国) |
イ |
対象品種 |
とうもろこし(DLL25) |
性質 |
除草剤耐性 |
申請者 |
株式会社 東食 |
開発者 |
Dekalb Genetics Corporation(米国) |
ウ |
対象品種 |
とうもろこし(DBT418) |
性質 |
害虫抵抗性 |
申請者 |
株式会社 東食 |
開発者 |
Dekalb Genetics Corporation(米国) |
エ |
対象品種 |
とうもろこし(MS3) |
性質 |
除草剤耐性 |
申請者 |
ヘキスト・シェーリング・アグレボ株式会社 |
開発者 |
Plant Genetic SyStems(ベルギー) |
(4)これまでの経緯
平成9年5月27日 |
食品衛生調査会に諮問、バイオテクノロジー特別部会に付議。 |
5月28日 |
バイオテクノロジー特別部会審議 |
6月 6日 |
第1回組換えDNA技術応用食品等の安全性評価に関する分科会審議 |
6月17日 |
第2回組換えDNA技術応用食品等の安全性評価に関する分科会審議 |
7月15日 |
第3回組換えDNA技術応用食品等の安全性評価に関する分科会審議 |
8月 8日 |
第4回組換えDNA技術応用食品等の安全性評価に関する分科会審議 |
9月 9日 |
第5回組換えDNA技術応用食品等の安全性評価に関する分科会審議 |
10月22日 |
食品衛生調査会バイオテクノロジー特別部会開催 |
〃 |
バイオテクノロジー特別部会報告 |
10月27日 |
申請資料公開(社団法人日本食品衛生協会において閲覧) |
2 後代交配種の取扱いについて
バイオテクノロジー特別部会において、「組換えDNA技術応用食品・食品添加物の安全性評価指針」に基づく後代交配種の安全性評価の必要性の有無について意見がまとめられたことから、これについて、検討が行なわれた結果、別添の意見具申がなされました。
3 今後の予定
(1)安全性評価の適合性確認がなされた食品5品種及び食品添加物1品目については、答申を受け、速やかに、申請者あてに「厚生大臣による安全性評価指針への適合を確認」した旨の通知を出す予定としています。
(2)安全性評価指針に係る後代交配種の取扱いについても、意見具申を受け、関係者に通知する予定としています。