薬事・食品衛生審議会資料

 

平成9年04月02日

食品衛生調査会

 

 

議事要旨:食品中に残留する農薬の残留基準値の設定について

 

食品衛生調査会毒性・残留農薬合同部会議事要旨


日時:平成9年4月2日(水)14:00~17:00

場所:通産省別館826会議室

出席者:池上幸江、江崎孝三郎、岡田齋夫、黒川雄二、鈴木啓介、高仲正(残留農薬部会長)、戸部満寿夫(毒性部会長)、長尾美奈子、成田弘子、林裕造、福島昭治、村上正孝 各委員

厚生省:小野生活衛生局長、黒川食品化学課長 他課長補佐以下4名

オブザーバー:農水省、環境庁

(議題)食品中に残留する農薬の残留基準値の設定について

(議事要旨)
1.審議概要
 平成5年9月27日、平成7年10月6日及び平成8年6月6日に厚生大臣から諮問された農薬のうち、分科会における検討が終了した23農薬の残留基準値を設定することについて、審議が行われた。
 本部会では、分科会においてとりまとめられた各農薬の安全性評価結果、基準値案について、分科会座長から説明があり、その後、審議が行われた。
 その結果、これら23農薬について、安全性評価概要、基準値案を委員長あて報告することとされた。

2.主要な意見等
(委 員) ジフェンゾコートについて、「チャールズリバーラット」とあるが、何か。
(委 員) 原文にチャールズリバーラットと書いてあるが、チャールズリバーは会社名である。恐らくSDラットだと思う。
(委 員) エトベンザニドについて、T1/2に雌雄で差があるようだが、排泄等についても差があるのか。
(委 員) 測定時間を細かくとっていないので、ピークの時間や半減期がよく分からないが、見かけ上、雌雄差があるように見えたのかもしれない。ベンゼン環が2つあるので、測定の方法にもよる。大きな性差はないものと思われる。
(委 員) シラブルオフェンの基準値案について、ADI占有率は7.8%であるのに、なしとかきで登録保留基準より低いのはなぜか。
(事務局) 残留農薬基準と登録保留基準は、農作物の分類の仕方が違うため、国内でのみ当該農薬が使用されている場合においても、必ずしも同一とはならない。
(委 員) メパニピリムについて、「肝細胞腺腫等の増加は、肝酵素誘導試験成績等の追加試験結果から非遺伝子傷害性の作用によるものと考えられる」とあるが、変異原性試験についても記載した方がいいのではないか。
(委 員) 非遺伝子傷害性という結論に対して重要なのは、変異原性試験の結果だと思う。
(委 員) 推定摂取量のADIに対する比率について、すべての農薬について単純にその比率を足したら100%を超えるようだが、農薬を複合して摂取した場合の影響についてどう考えているのか。
(事務局) 従来、調査会では、基本的に個別農薬毎にADIを上回らなければ問題ないものとして取り扱われてきたものと承知している。なお、具体的には20農薬を同時に摂取したラットの試験データが報告されているが、特段の問題は指摘されていない。国際的にも同様に取り扱われているところである。
(委 員) 実際に摂取する場合を検討しておいた方がいいのではないか。
(事務局) マーケットバスケット調査の結果によると、平成6年度までに報告された26農薬の実際の摂取量は、検出限界の問題はあるが、ADIの概ね5%以下である。


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