食品安全委員会への食品健康影響評価の依頼について -ビスフェノールAがヒトの健康に与える影響について-
1 ビスフェノールAは、プラスチックのポリカーボネートやエポキシ樹脂などの原料で、一部の食品用の容器等に使用されています。食品衛生法では、飲食物に移行したビスフェノールAによる健康への悪影響を防止するため、各種の毒性試験の結果からヒトに毒性が現れないと考えられた量を基に、ポリカーボネート製容器等に2.5ppm以下という溶出試験規格を設けています。
2 一方、ビスフェノールAについては、近年、動物の胎児や産仔に対し、これまでの毒性試験では有害な影響が認められなかった量より、極めて低い用量の曝露により影響が認められたことが報告されています。欧米諸国でも、このような報告を踏まえ、ヒトの健康に影響があるかどうか評価が行われています。
3 このため、厚生労働省では、本日、ビスフェノールAについて新たな対策の必要性を検討するため、食品安全基本法(平成15年法律第48号)第24条第3項の規定に基づき、同法第11条第1項に規定する食品健康影響評価について、内閣府食品安全委員会に意見を求めたところです。今後、その結果を基に必要な対応を行うことになります。
4 なお、我が国では、関係業界によるビスフェノールAの曝露防止対策が進み、高濃度の曝露がみられる状況にはありませんが、公衆衛生の見地から、ビスフェノールAの曝露をできる限り減らすことが適当と考えられるので、関係業界に対して自主的な取組を更に推進していくよう要請しました。一般消費者に対しては、妊婦や乳幼児を育てている方への食生活や授乳を行う上でのアドバイスを含む、ビスフェノールAについての理解を深めていただくためのQ&Aを作成しました。