平成15年度食品中の残留農薬の一日摂取量調査結果、平成14年度農産物中の残留農薬検査結果及び平成14年度畜産食品中の残留農薬検査結果について取りまとめたので公表する。
I 平成15年度食品中の残留農薬の一日摂取量調査結果について
国民が日常の食事を介して食品に残留する農薬をどの程度摂取しているかを把握するため、国民栄養調査を基礎としたマーケットバスケット調査方式(注1)による一日摂取量の調査の結果を取りまとめたところ、推定される摂取量の許容一日摂取量(ADI)(注2)に占める割合(ADI比)は、0.08~27.31%であり、いずれもADIを大きく下回っていることから、今回調査の対象とした農薬の食品を通じた摂取については、現状では問題はないと考えられた。
(注1)マーケットバスケット調査方式
国民栄養調査による食品摂取量を参考に市場で流通している農産物等を購入し、通常行われている調理方法に準じて調理を行った後、化学分析を実施し、対象となる農薬の摂取量を調べること。
(注2)許容一日摂取量(ADI)
ADI(許容一日摂取量:Acceptable Daily Intake)とは、ある物質について人が生涯その物質を毎日摂取し続けたとしても、安全性に問題のない量として定められるもので、通常、一日当たり体重1kgあたりの物質量(mg/kg/day)で表される。
II 平成14年度農産物中の残留農薬検査結果について
平成14年度に実施された農産物中の残留農薬検査結果を取りまとめることとし、地方公共団体における検査結果(91団体より資料提供の協力を得た。)、検疫所における検査結果及び基準未設定農薬を対象に厚生労働省の依頼により地方衛生研究所等が実施した調査結果を併せて集計した。その概要は次のとおりである。
1 検査数 |
910,989
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件 |
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2 検査対象農薬数 |
320
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農薬 |
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3 農薬検出数 |
3,282
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件(0.36%) |
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国産品
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868
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件(0.44%) |
輸入品 |
2,414件(0.34%)
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4 基準値を超えた数 |
110
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件(0.03%) |
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国産品
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27
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件(0.02%) |
輸入品 |
83件(0.03%)
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本集計結果は平成13年度の集計結果とほぼ同様の傾向を示しており、農薬が検出された割合、基準値を超えた割合のいずれも極めて低いことから、我が国で流通している農産物における農薬の残留レベルは低いものと判断される。
III 平成14年度畜産食品中の残留農薬検査結果について
平成14年度に畜産食品について地方公共団体及び検疫所において実施された、残留農薬のモニタリング検査結果、及び、残留性の高い農薬等を対象に、厚生労働省の依頼により平成14年度に地方公共団体等が調査した結果を、併せて集計した。その概要は以下の表のとおりである。
1 検査数 |
3,321
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件 |
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2 検査対象農薬数 |
33
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農薬 |
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3 農薬検出数 |
22
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件(0.66%) |
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国産品
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13
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件(0.48%) |
輸入品 |
9件(1.44%)
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4 基準値を超えた数 |
0
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件(0.00%) |
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国産品
|
0
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件(0.00%) |
輸入品 |
0件(0.00%)
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検査の結果、国産品、輸入品を含む全検査中で農薬が検出された割合が低いことから、我が国で流通している畜産食品における農薬の残留レベルは極めて低いものと判断される。また暫定基準値を定めている農薬においては、当該基準値を超えなかった。
なお、詳細情報については以下を参照されたい。