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公益財団法人 日本食品化学研究振興財団
FDA 21CFR(仮和訳)

81  食品、医薬品及び化粧品用暫定許可色素添加物に対する一般規
 

§10  色素添加物暫定許可の終結

§81.10 色素添加物暫定許可の終結
  
(a) Ext. D & C 黄色9号及び10号。これらの色素は不純物としてβ−ナフチルアミンを含有しないという確信の下に生産することはできない。不純物を伴わずに両色素の生産が可能であると断言されてきた反面、事実立証のための分析方法は何ら提案されていない。β−ナフチルアミンは既知の発がん物質である。従って、皮膚に直接使用する製品における両色素の安全許容量を確認する科学的証拠はない。食品医薬品局長は、上記措置は公衆衛生の保護のために必要であると結論を下し、ここに、Ext. D & C 黄色9号及びExt. D & C 黄色10号の暫定許可リストを終結した。
(b) 〔保留〕
(c) FD & C赤色1号 。当色素添加物の最近の食餌テストの結果、摂取された場合有毒であることが実証された。
(1) 1グループ50匹から成るラットのグループに、それぞれ5%、2%、1%、 0.5%及び0%レベルの FD & C 赤色1号を含有する規定の食物を与える。15〜18ケ月経過した現段階では、様々なレベルの FD&C 赤色1号を与えている 250匹中 116匹、また実験対象100 例中27例が死亡した。これらの中で、5%レベルでは11匹、2%レベルでは16匹、1%レベルでは11匹、 0.5%レベルでは2匹が、肝臓障害を起こしてした。死亡した実験対象ラットの中で肝臓障害は見られなかった。
(2)  400匹のマウスを実験対象として 100匹のグループに分け、それぞれ2%、1%、 0.5%、 0.1%の FD & C 赤色1号を含有する食物を与える。2%及び1%の投与レベルのマウスはすべて17週までに死亡した。 0.5%以上のレベルで食物を与えたすべてのグループにおいて肉眼で見える程度の肝臓障害が観察された。
(3) 1グループ4匹の犬のグループに、それぞれ2%、1%、0.25%、0%の FD & C 赤色1号を含有する規定の食物を与える。2%の投与レベルの犬の中で3匹が32週までに死亡し、その他は生存している。1%投与レベルの犬の中3匹が13ケ月以内に死亡するか、あるいは屠殺された。これらの犬はすべて肉眼で見えるか、あるいは顕微鏡で見える肝臓障害を示した。1%及び2%の投与レベルで死亡した犬は健康状況が悪かった。
FDA局長は、長期間に及ぶ当色素添加物の摂取は安全ではないという結論を下し、公衆衛生保護のために、ここに食品、医薬品及び化粧品に使用する FD & C 赤色1号の暫定許可を終結する。
(d)  FD & C Red 赤色4号の当色素添加物の食餌テストを三種類の動物で行った。
(1) オズボーン・メンデルとスプラーグ・ドーリー系統(the Osborne - Mendel and Sprague - Dawley strains) のラットに規定食中5%、2%、1%及び 0.5%レベルのFD&C 赤色4号 を2年間投与したが、その影響は見られなかった。
(2) C3Hf及びC57BL系統のマウスに規定食中2%及び1%のレベルで FD & C 赤色4号を2年間投与したが、その影響は見られなかった。
(3) 犬に2%及び1%のレベルで規定食中 FD & C 赤色4号を投与した。両レベルにおいて、膀胱と副腎に有害な影響が見られた。2%の投与レベルの5匹の犬の中3匹が、テスト開始後それぞれ6ケ月、9ケ月、5年半以内に死亡した。2%レベルの犬の中2匹と1%レベルの犬5匹全部は7年間の研究の完了まで生存した。
食品医薬品局長は、入手データからは食品摂取薬品及び化粧品における当色素添加物の安全使用レベルは設定できないという結論を下した。公衆衛生の保護の目的で、局長はここに、食品及び摂取薬品に使用する FD & C 赤色4号の暫定許可を終結する。局長は既に以前に FD & C 赤色4号の摂取化粧品中での使用に対する暫定許可を終結している。
FD & C 赤色4号 は本章のそれぞれ§74.1304 及び§74.2304 により、外用医薬品及び化粧品に使用の目的で記載されている。また、本章の§82.304は本章 Part 82に保留され、外用医薬品及び化粧品における FD&C 赤色4号の使用を許可している。
(e) FD & C 紫色1号。食品医薬品局長は、公衆衛生保護の目的で、ここに、食品、医薬品、化粧品用 FD & C紫色1号の暫定許可を終結する。
(f) FD & C 赤色2号。食品医薬品局長は、公衆衛生保護の目的で、ここに、食品、医薬品、化粧品用 FD & C赤色2号の暫定許可を終結する。
(g) カーボンブラック。 (「impingement」または「channel」プロセスにより調整) 食品医薬品局長は、公衆衛生保護の目的で、ここに食品、医薬品、化粧品用カーボンブラック (「impingement」または「channel」プロセスにより調整) の暫定許可を終結する。
(h) D & C 赤色10号, 11号, 12号及び13号。これらの色素添加物の申請は、継続暫定許可をもはや継続させる根拠となることのないように撤回された。さらに、局長は、D & C 赤色10号, 11号, 12号 及び13号が、β−ナフチルアミンで汚染される可能性があることを知り得た。局長の結論によれば、これらの色素が不純物としてβ−ナフチルアミンを含有せず、また上記色素に存在する付随色素の代謝作用からβ−ナフチルアミンを生み出さないという保証が妥当なものである場合でも当色素は生産不可能である。ナフチルアミンは既知の発がん物質である。従って、または医薬品、化粧品中のこれらの色素の安全許容量を支持する科学的証拠は存在しない。食品医薬品局長は、それらの使用申請の撤回時に、公衆衛生保護の目的で、ここに医薬品、化粧品に使用する D & C 赤色10号, 11号, 12号及び13号の暫定許可を終結する。1977年12月13日実施。
(i) Ext. D & C 黄色1号。局長は4−アミノビフェニルによる Ext. D & C 黄色1号の汚染について知り得た。局長の結論によれば、当色素が不純物として4−アミノビフェニルを含有しない、あるいは当色素に存在しうる反応副生成物の分解からベンジジンを生成しないという妥当な保証がある場合でも、当色素は生産不可能である。4−アミノビフェニル及びベンジジンは既知の発がん物質である。従って、医薬品あるいは化粧品中の当色素の安全許容量を支持する科学的証拠は存在しない。加えて、当色素のバッチ認可検定のための適切な規格を設ける目的には、不十分なデータが提出されていたのである。食品医薬品局長は公衆衛生保護の目的で、ここに外用医薬品及び化粧品に使用する Ext. D & C 黄色1号の暫定許可を終結する。1977年12月13日実施。
(j) 黒鉛。多核性芳香族炭化水素 (PNA)による黒鉛の汚染を示すデータがだされた。不純物としてPNAを含有せずに当色素を生産できるという妥当な保証はない。黒鉛にPNAが存在するということは、動物及び人間に対して発がん性があるとされるPNAが存在することを意味する。従って医薬品、化粧品中の当色素の安全許容量を支持する科学的証拠は存在しない。食品医薬品局長は公衆衛生保護の目的で、ここに、外用化粧品に使用する黒鉛の暫定許可を終結する。1977年11月29日実施。
(k) Ext. D & C 緑色1号 。局長の結論によれば、色素添加物 Ext. D & C 緑色1号の認可検定のためには分析方法が不十分である。さらに、1960年色素添加物改正条項の暫定的な規定の section 203a2に準じた期限終了日の延期の付随条件に従っていないことが局長に明らかとなった。食品医薬品局長は外用医薬品及び化粧品に使用する Ext. D & C 緑色1号の暫定許可をここに終結する。1977年11月29日実施。
(l) 〔保留〕
(m) D & C オレンジ色10号及び11号。摂取医薬品及び化粧品に使用する D & C オレンジ色10号及び11号の記載をもとめる申請がないために、上記使用のための暫定許可の根拠がもはや存在しない。従って、FDAでは、摂取医薬品及び化粧品に使用する D & C オレンジ色10号及び11号の暫定許可を終結している。1981年4月28日実施。
(n) D & C青色6号。未確認副成分の化学的性質に関して未解決の問題が依然存在すると食品医薬品局長は結論を下し、医薬品及び化粧品に使用する D & C青色6号の暫定許可をここに終結する。
(o) D & C 緑色6号。摂取医薬品及び化粧品に使用する D & C 緑色6号 の記載をもとめる申請がないため、上記使用のための暫定許可の根拠がもはや存在しない。従って、食品医薬品局長は、摂取医薬品及び化粧品に使用する D & C 緑色6号の暫定許可をここに終結する。1981年3月27日実施。
(p) 〔保留〕
(q) (1) D & C 赤色19号及び D & C 赤色37号。 D & C 赤色19号の摂取は、ラットとマウスのがんの原因となると結論を下した上で、局は、摂取医薬品及び摂取化粧品に使用するD & C 赤色19号及び化学的関連性を有する D & C 赤色37号の暫定許可をここに終結する。1983年2月4日実施。
(2) D & C 赤色37号。外用に使用するために D & C 赤色37号の記載をもとめる申請がないので、上記使用のための暫定許可の根拠がもはや存在しない。従って、食品医薬品局長は、外用医薬品及び化粧品に使用するための D & C 赤色37号の暫定許可をここに終結する。1986年6月6日より実施。
(r) 〔保留〕
(s) D & C オレンジ色17号。当局は、 D & C オレンジ色17号の摂取はラットとマウスのがんの原因となると結論を下した上で、摂取医薬品及び摂取化粧品に使用するD & C オレンジ色17号の暫定許可を終結した。1983年3月31日実施。
(t) D & C 赤色8号及び 9号。口内洗浄剤、練り歯磨き、及び、唇用摂取医薬品を除く、摂取医薬品に使用するために D & C 赤色8号及び 9号の記載をもとめる申請がないので、上記使用のための暫定許可の根拠はもはや存在しない。従って、食品医薬品局長は、口内洗浄剤、練り歯磨き、及び、唇用摂取医薬品を除く、摂取医薬品に使用するための D & C 赤色8号及び 9号の暫定許可をここに終結する。1987年1月6日より実施。
(u) FD & C 赤色3号 。 FD & C 赤色3号は、ラットのがんの原因となると結論を下した上で、当局は、化粧品及び外用医薬品に使用する FD & C 赤色3号の暫定許可及び食品、医薬品及び化粧品に使用する FD & C 赤色3号のレーキの暫定許可をここに終結する。1990年1月29日より実施。
 
〔42 FR 15665, Mar. 22, 1977〕
編注:§5.10 に影響する米国官報の引用については、本連邦規則のFinding Aidsの節及びGPO Accessの List of CFR Sections Affectedを参照。