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公益財団法人 日本食品化学研究振興財団
FDA 21CFR(仮和訳)

10  行政慣行および手続
一般的な行政手続

§115  望ましい指針慣行

§10.115 望ましい指針慣行

(a)望ましい指針慣行とはいかなるものか?
望ましい指針慣行(Good guidance practices; GGP’s)とは、指針書の作成、発行、使用のためのFDAが採るべき方針及び手続きを指す。
(b)指針書とは何か?
(1)指針書とは、FDA職員、申請者/スポンサー及び一般の人々のために作成された、規制問題に関するFDAの考え方及び方針を詳述する文書である。
(2)指針書には、規制の対象となる製品のデザイン・製作・ラベル付け・宣伝・製造・テスト、提出物の処理・内容・評価・認可、検討方針及び実施方針に関する文書が含まれるが、これに限定されない。
(3)指針書には以下のものは含まれない。
FDA内部の手続きに関する文書、FDA報告書、消費者及び保健専門家に提供される一般的な情報に関する文書、演説、雑誌の記事及び論説、記者会見、報道資料、警告文書、覚書、またはその他の個人あるいは企業向けの通信文書。
(c)上記以外の特別な意味をもつ用語は何か?
(1)「レベル1の指針書」とは以下のような指針書を含む。
(i)法的なあるいは規制上の要件の原解釈を行う指針書
(ii)解釈あるいは方針の変更のうち微小でないものを説明する指針書
(iii)複雑な科学的問題を含む指針書
(iv)大いに論議を呼んでいる問題を論じている指針書
(2)「レベル2の指針書」とは、現行の慣例あるいは解釈や方針の微小な変更を説明する指針書である。レベル2の指針書には、レベル1に分類されないすべての指針書が含まれる。
(3)「あなた」という語は、FDA以外のすべての関係者を指す。
(d)あなた、あるいはFDAは、指針書に従わなければならないか?
(1)いいえ。指針書は法的強制力のある権利も責任も確立するものではない。一般の人々もFDAもこれにより拘束されない。
(2)あなたは、指針書に記載されている方法以外の取り組み方を選択することができる。しかし、あなたの選択した代替方法は関連法規及び規制に準じたものでなければならない。FDAは、代替方法が確実に関連法規及び規則に準じたものになるようそれについて進んであなたと話し合う。
(3)指針書はFDAに対し法的な拘束力を持つものではないが、FDAの現在の考え方を示すものである。従って、適切な管轄権と監督権者の同意のある場合には、FDAの職員は指針書から逸脱することができる。
(e)FDAは、指針書以外の手段を用いて広く一般の人々に同局の新しい方針や規制方法を伝えることができるか?
同局は、指針書の定義から除外されたような文書その他の伝達手段を用いて、最初に、非公式に、新しいあるいは異なった規制案を広く一般の人々に伝えてはならない。法律または規則から容易に明らかだとは判じ得ない規制案を最初に広く一般の人々に伝える場合は、必ずGGPに従わなければならない。
(f)あなたはどうすれば指針書の作成・発行に参加できるか?
(1)あなたは、本sectionのparagraph(g)に述べる手続きに従いFDAが作成する指針書に情報提供ができる。
(2)あなたは、指針書作成の分野を提案することができる。提案には、なぜ指針書が必要なのか理由を明記すること。
(3)あなたは、FDAが検討する指針書案の草案を提出することができる。当該草案を提出する場合、あなたはその文書に「指針書提案」と明記し、認可証管理部門(HFA-305)(5630, Fishers Lane, rm. 1061, Rockville, MD 20852)へ提出すること。
(4)あなたはいつでも、FDAが既存の指針書についてそれを改正、あるいは撤回するよう提案することができる。提案には、なぜ指針書の改正、あるいは撤回が必要なのかその理由、また、そうすることが適切な場合には、どのように改正すべきかその方法を明記すること。
(5)FDAは、年に1度、次年度中に作成あるいは改正の可能性のある指針書の項目のリストを、米国官報及びインターネットの両方で公表する。あなたは、このリストについて(FDAが検討している項目に関し代替案を提案する、あるいは勧告を行うなどの方法で)意見を述べることができる。
(6)本sectionのparagraph(f)(1)、(f)(2)、あるいは(f)(4)に述べたような方法で指針書の作成・発行に参加しようとする場合、あなたは当該指針書が扱う規制範囲を担当するセンター、あるいは部門に連絡をとること。
(7)FDAが、本sectionのparagraph (f)(1)、(f)(2)、(f)(3)、あるいは(f)(4)に基いて行われた提案に従い、指針書の起案、あるいは修正に同意する場合、本sectionのparagraph(g)に述べた手続きに従いその指針書の作成に参加できる。
(g)指針書の作成及び発行の手続きはどんなものか?
(1)「レベル1の指針書」を作成及び発行するために行うFDAの手続きは以下のとおりである。
(i)レベル1の指針書の草案を作成する前に、FDAは局外の個人あるいは団体からの情報・意見を求めたり、それらを受け取ったりすることができる。このため、FDAは、例えば、公開の会合や研究会に参加したり、これらを開催したりすることができる。
(ii)レベル1の指針書の草案を作成後、FDAは以下のことを行う。
(A)指針書の当該草案が入手できる旨知らせる通知を米国官報に発表する。
(B)指針書の当該草案をインターネットで公表し、ハードコピーの形で入手できるようにする。
(C)指針書の当該草案についてあなたの意見を求める。本sectionのparagraph(h)に意見の提出方法を述べる。
(iii)レベル1の指針書の草案を作成後、FDAはまた以下のことができる。
(A)公開の会合あるいは研究会を開催する。
(B)指針書の当該草案を諮問委員会に提出し、審査を求める。
(iv)レベル1の指針書についての意見を述べる機会を一般の人々に提供した後、FDAは以下のことを行う。
(A)受け取ったすべての意見を検討し、妥当な場合には、変更案を組み入れた指針書の最終版を作成する。
(B)当該指針書が入手できる旨知らせる通知を米国官報に発表する。
(C)当該指針書をインターネットで公表し、ハードコピーの形で入手できるようにする。
(D)当該指針書を実施する。
(v)意見を述べる機会を提供した後、FDAは当該指針書の別の草案を発行することができる。この場合、FDAは本sectionのparagraph(g)(1)(ii)、(g)(1)(iii)、及び(g)(1)(iv)の方法に従う。
(2)FDAは、同局が一般の人々の事前参加が実行不可能、あるいは不適当と判断した場合には、レベル1の指針書を実施する前に、あなたの意見を求めないものとする。
(3)FDAは、本sectionのparagraph(g)(2)に述べる状況下でレベル1の指針書を作成・発行するために以下のとおりの手続きをとる。
(i)FDAが指針書を作成後、FDAは以下のことを行う。
(A)当該指針書が入手できる旨知らせる通知を米国官報に発表する。
(B)当該指針書をインターネットで公表し、ハードコピーの形で入手できるようにする。
(C)当該指針書を即時実施する。
(D)当該指針書の発行あるいは公開時に、あなたの意見を求める。本sectionのparagraph(h)に意見の提出方法を述べる。
(ii)当該指針書についての意見を受け取った場合、FDAはその意見を検討し、妥当な場合には指針書を修正する。
(4)「レベル2の指針書」を作成及び発行するために行うFDAの手続きは以下のとおりである。
(i)指針書作成の後、FDAは以下のことを行う。
(A)当該指針書をインターネットで公表し、ハードコピーの形で入手できるようにする。
(B)FDAが別に当該指針書の公開時期を指定しない限り、当該指針書を即時実施する。
(C)レベル2の指針書についてのあなたの意見を求める。本sectionのparagraph(h)に意見の提出方法を述べる。
(ii)当該指針書についての意見を受け取った場合、FDAはその意見を検討し、妥当な場合には指針書を修正する。修正された場合には、修正された新版をインターネットに公表する。
(5)あなたは、いつでもあらゆる指針書に意見を述べることができる。本sectionのparagraph(h)に意見の提出方法を述べる。妥当な場合、FDAは、その意見に応じて指針書を修正する。
(h)あなたは、いかなる方法で意見を提出すべきか?
(1)本sectionのparagraph(g)に基き、指針書に対する意見を提出しようとする場合、認可証管理部門(HFA-305)(5630, Fishers Lane, rm. 1061, Rockville, MD 20852)に送付しなければならない。
(2)意見は、指針書の認可証書番号が存在する場合には、その番号を明記すること。認可証番号のない指針書については、指針書の題名を明記すること。
(3)意見は、§10.20(j)に明記されている認可証管理部門への文書提出についてのFDA規則に従い、一般の人々に公開される。
(i)FDAは、指針書中に、基準としてどのような要素を入れなければならないか?
(1)指針書について、以下のことが必要である。
(i)「指針(guidance)」という語を含んでいなければならない。
(ii)その指針書を発行した単数あるいは複数のセンター、あるいは単数あるいは複数の部門を明記しなければならない。
(iii)その指針書が適用される活動及び人々を明記しなければならない。
(iv)その指針書には拘束力のない旨をはっきりと明示しなければならない。
(v)発行日を含んでいなければならない。
(vi)その指針書が以前に発行された指針書の改定である場合には、それを注記し、その指針書の改定前の指針書を明らかにしなければならない。
(vii)その指針書が指針書の草案である場合には、「草案(draft)」という語を含んでいなければならない。
(2)指針書には、「〜するものとする(shall)」、「〜しなければならない(must)」、「〜することが必要である(required)」、あるいは「必要条件(requirement)」のような命令を表すような言い方が含まれていてはならない。但し、FDAが法的要件あるいは規制による要件を述べるためにこのような言い方をする場合はこの限りでない。
(3)国際的交渉の成果として指針書案が発行される場合(ハーモサイゼーション国際会議の結果発行される指針等)、FDAは本sectionのparagraph(i)(1)及び(i)(2)を適用する必要はない。しかし、本provisionに従って発行されるあらゆる最終版の指針書は本sectionのparagraph(i)(1)及び(i)(2)の要素を含んでいなければならない。
(j)FDA内において、誰が指針書の発行を認可することができるか?
センター及び部門にはそれぞれ指針書認可のための手続きを明文化した書類がなければならない。手続きは、指針書の発行がすべて適切なFDA上級職員によって認可されることを保証するものでなければならない。
(k)FDAはどのように既存の指針書を検討及び改正するか?
(1)同局は、既存の指針書を定期的に検討し、それらの変更あるいは撤回が必要かどうか判断する。
(2)法律あるいは規則に重大な変更が行われる場合、同局は、その変更された法律あるいは規則に関連のある指針書を検討し、妥当な場合には、改正する。
(3)本sectionのparagraph(f)(3)に述べたとおり、あなたはいつでもFDAが既存の指針書について改正するよう提案することができる。
(l)FDAはどのように同局職員がGGPに従うことを保証するか?
(1)指針書の作成、発行、あるいは適用に関わるあらゆる現職および新規FDA職員は、同局のGGPについて研修を受ける。
(2)FDAのセンター及び部門は指針書の作成及び発行を監督し、GGPが遵守されていることを保証する。
(m)どうすればあなたはFDAの指針書の写しを入手できるか?
FDAは指針書の写しをハードコピーという形で入手できるようにし、またインターネットを通じても入手できるようにする。
(n)どのようにしてFDAは、入手可能な指針書についての情報をあなたに逐次連絡するか?
(1)FDAは、インターネット上にすべての現行指針書のリストを常に掲示する。新規の指針書に関しては、発行から30日以内に本リストに追加される。
(2)年に一度、FDAは米国官報で指針書の総合リストを発表する。本総合リストでは前回の総合リスト以来、リストに追加された、あるいはリストから削除された指針書を明記する。
(3)FDAの指針書リストは、指針書の題名、発行及び改正日、写しの入手方法についての情報を含む。
(o)FDAの職員にGGPに従っていないものがいると思う場合、あなたはどのようなことができるか?
FDAの職員に、本sectionにある手続きに従わなかった者、あるいは指針書を拘束力のある必要条件として扱った者がいると思う場合には、当該指針書を発行したセンターあるいは部門における当該職員の監督者に連絡をとること。それでも問題が解決できない場合には、さらに上級の監督者に連絡をとること。また、あなたは問題解決の援助を求め、センターあるいは部門の行政監察官に連絡をとることもできる。センターあるいは部門レベルで問題の解決ができない場合、あるいはこの指揮命令系統をすべてに連絡しても問題解決への進展が見られなかった場合、主任調停・行政監察官事務所に関与を依頼することができる。

65 FR 56477, Sept. 19, 2000