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公益財団法人 日本食品化学研究振興財団
FDA 21CFR(仮和訳)

172  食品に直接添加するために許可された食品添加物
ガム、チューイングガム基剤並びに関連物質

§695  キサンタンガム

§172.695 キサンタンガム
  
食品添加物キサンタンガム (Xanthan gum)は下記の条件に従って食品に安全に使用できる。
(a) 本添加物はXanthomonas campestris を純粋培養発酵し、イソプロピルアルコールで再結晶し、精製した多糖類ガムである。本品には主要六炭糖単位としてD−グルコース、D−マンノース、D−グルクロン酸が含まれ、ナトリウム、カリウム、またはカルシウム塩として製造する。
(b) Xanthomonas campestris系統は非病原性であり、人間や動物に無害である。
(c) 本添加物はXanthomonas campestrisの生存細胞を取り込まない方法で製造する。
(d) 本添加物は下記の規格に適合する。
(1)  残留イソプロピルアルコールは 750 ppm以下。
(2) 本添加物1%、塩化カリウム1%を含む水溶液を2時間撹拌した後、60 rpmのNo.3スピンドルを使ってBrook-field 粘度計LVF型(または相当品)で測定した場合、75°Fでの最低粘度は 600センチポワズであり、また75°Fと 150°Fにおける粘度比は1.02から1.45の範囲である。
(3) 下記の手順に基づき試験を行った結果、キサンタンガムは陽性である。
ローカストビーンガム ゲル試験
ローカストビーン粉末 1.0g 、供試用多糖類粉末 1.0g を秤量紙または秤量皿ではかり取り混合する。あらかじめ80℃に加熱した蒸留水 200mlを 400mlビーカーに入れて撹拌し、最大撹拌点で上記混合物を徐々に(約1/2分間)加える。混合物が溶けるまで機械撹拌を続けるが、最低30分は撹拌する。この場合、水温が60℃以下にならないよう注意する。
ビーカー中、内容物を撹拌せずに放冷する(最低2時間)。温度が40℃以下に低下した後、冷却したビーカー内容物が固いゴム状ゲルになっているかどうか調べる。
ゲル状になっている場合は、あらかじめ80℃に加熱した蒸留水 200mlに供試用多糖類を溶かして1%溶液を作る。(この場合、ローカストビーンは使用しない)。この溶液は上記と同様に撹拌せずに冷却する。冷却によってゲルが生成すれば、この試料はゲル化多糖類であり、キサンタンガムではないことが分かる。
ローカストビーンガムが存在する場合のみ、固いゴム状ゲルが生成し、存在しない場合に固いゴム状ゲルが生成しないならば、試料をキサンタンガム「陽性」と記録する。もしローカストビーンガムが存在する場合も、1%試料溶液(ローカストビーンガムを含まない)のいずれの場合も、ゲルが生成しないか、または柔らかい、脆弱なゲルが生成するならば、試料をキサンタンガム「陰性」と記録する。
(4) 下記の手順に基づき試験を行った結果、キサンタンガムは陽性である。
ピルビン酸試験
多糖類を蒸留水に溶解した 0.6%溶液 10ml(水溶性ガム 60mg)を、標準テーパーガラスジョイントの付いた 50ml フラスコにピペットではかり入れる。1N塩酸 20ml をピペットではかり入れた後、フラスコを秤量する。混合液を3時間還流する。この間、蒸気のロスがないように注意する。還流後、溶液を室温まで冷却する。フラスコ内容物の減量分だけ蒸留水を加える。
2.4 −ジニトロフェニルヒドラシン試薬 (0.5 % 2N塩酸中)1mlをピペットで30ml分液ろ斗にはかり入れ、試料の一部2ml (水溶性ガム 4mg) を加えて混合した後、反応混合液を5分間室温で放置する。この混合液を 5mlの酢酸エチルで抽出し、水層を捨てる。
10%炭酸ナトリウム溶液を 5mlずつ3回加えて、酢酸エチルからヒドラゾンを抽出する。
10%炭酸ナトリウム抽出液をすべて 10ml メスフラスコに移し入れ、更に10%炭酸ナトリウムを加えて希釈し、 100mlとする。 375muにおける炭酸ナトリウム溶液の光学濃度を測定する。
別にヒドラソンの調製から開始し、以後同じ操作で調製したピルビン酸標準試料につき、光学濃度と標準試料濃度の対比曲線を作成しておく。上記の測定結果をこの曲線と比較する。
多糖類試験試料に含まれるピルビン酸の重量%を記録する。試料のピルビン酸含量が15重量%以上であれば、キサンタンガム「陽性」、15重量%以下であれば、キサンタンガム「陰性」と記録する。
(e) 本添加物はGMP(製造及び品質管理に関する基準)に準じて、食品の安定剤、乳化剤、粘ちょう化剤、懸濁剤、賦形剤、増泡剤として使用する、または使用することを目的とする。但し、法第 401節に基づく同定規格によってかかる使用が禁止されている食品には適用しない。
(f) 本添加物の安全使用を確保するために下記の点に留意すること。
(1) 法に規定される他の情報に加えて、容器ラベルに添加物名、「食品用グレード」の呼称を明記すること。
(2) 食品添加物容器のラベルまたは表示に適切な使用法を明記すること。