公益財団法人
日本食品化学研究振興財団
FDA 21CFR(仮和訳)
155 缶詰野菜
特定の規格缶詰野菜の要件
§191 トマト濃縮物
§155.191 トマト濃縮物
(a) 同定
(1) 定義。トマト濃縮物は下記の任意トマト材料のうち1種類もしくはそれらのうち2種類以上を組み合わせたものを濃縮することによりそれぞれが調製される食品のクラスである。
(ⅰ) 赤色品種もしくは赤み品種の成熟トマト(Lycopersicum esculentum P. Mill)から得られる液体。
(ⅱ) 上記トマトを缶詰用に調製する際に生じる、果皮および果心から成る (上記トマトそのものやその小片の存在の有無を問わない) 残滓から得られる液体。
(ⅲ) 上記トマトから果汁を部分抽出する際に生じる残滓から得られる液体。
上記液体は、GMPに従い、外皮 (果皮) 、種子、およびその他の粗い物質や硬い物質を排除するようにトマトをこす (加熱の有無を問わない) ことにより得られる。こし分け操作に先立ち、pHを 2.0以上にするような量の食品用塩酸をトマト物質に添加することができる。上記酸は次いで食品用水酸化ナトリウムで中和されて処理済トマト物質がpH 4.2± 0.2に戻される。水を加えて最終組成を調整してもよい。本食品は§155.3(e)に定義されているように 8.0%以上の可溶性トマト固形物を含有する。本食品は加熱殺菌 (缶詰) 、冷蔵、もしくは冷凍により保存される。周囲温度に保たれる容器中に密封される場合には、本食品は密封に先立ち、あるいは密封してから、腐敗を防止するように熱処理される。
(2) 任意成分。下記の安全かつ適当な材料、成分のうち1種類もしくはそれらのうち2種類以上を組み合わせたものを本食品中に使用することができる。
(ⅰ) 塩(酸の中和の間に生成する塩化ナトリウムは添加された塩とみなすものとする)。
(ⅱ) レモン果汁、濃縮レモン果汁、もしくは有機酸。
(ⅲ) 重炭酸ナトリウム。
(ⅳ) 水。但し、本 sectionの paragraph (a)(1)に定められているもの。
(ⅴ) 香辛料。
(ⅵ) 着香料。
(3) 表示。
(ⅰ) 本食品の名称は下記に示すものである。
(
a
) 本食品が80%以上24.0%未満の可溶性トマト固形物を含有する場合には、「トマトピューレ」もしくは「トマト果肉」。
(
b
) 本食品が24.0%以上の可溶性トマト固形物を含有する場合には、「トマトペースト」。
(
c
) 濃縮物が当該食品の要件に適合する場合にはいつでも、「トマト濃縮物」という名称を「トマトピューレ」、「トマト果肉」、あるいは「トマトペースト」という名称の代わりに使用することができる。但し、濃縮物が10号容器 (全水容量 3.1キログラムあるいは 109常衡ポンド) もしくはより小さいサイズの容器に包装される場合には、ラベルは「加工用に限る」という説明を表示すること。
(
d
) 本食品が本 sectionの paragraph (a)(1)(ⅰ)に述べた任意トマト材料から調製され、かつ本 sectionの paragraph (a)(3)(ⅲ)に示したようなラベル説明事項に従って食品を希釈した時に、希釈品が重量比で 5.0%以上の可溶性トマト固形物を含有するような濃度のものである場合には、「濃縮トマト果汁」。
(ⅱ) 下記のものが名称の一部として含まれるか、本食品の名称に近接して表示されるものとする。
(
a
) 本 sectionの paragraph (a)(1)(ⅱ) に明記した任意トマト材料が存在する場合には、“Made from (〜から作られた)”もしくは “Made in part from ( 一部〜から作られた)”、事情によっては “residual tomato material from canning (缶詰工程により生じたトマト残滓物質)”という説明。
(
b
) 本 sectionの paragraph (a)(1)(ⅲ) に明記した任意トマト材料が存在する場合には、“Made from (〜から作られた)”もしくは “Made in part from (一部〜から作られた)”、事情によっては “residual tomato material from partial extraction of juice(果汁の部分抽出により生じたトマト残滓物質)”という説明。
(
c
) 本章の§101.22に明記したような、製品を特徴付ける着香料の表示およびたとえば “Seasoned with
(〜で味付け)”のように、製品を特徴付ける香辛料の表示。空欄は、“added spice (添加した香辛料)”という語もしくは “spice(香辛料)”という語の代わりに当該香辛料の常用名を入れた語を記入する。
(ⅲ) 濃縮トマト果汁のラベルは重量比で 5.0%以上の可溶性トマト固形物を含有する希釈品を生じせしめる適当な希釈法を表示するものとする。但し、10号容器 (全水容量 3.1キログラムあるいは 109常衡オンス) より大きい容器向けの適当な希釈法を表示するために代わりの方法を用いてもよい。
(ⅳ) ラベル表示。食品中使用される材料、成分のそれぞれは、本章の Part 101 および130に該当する sections により求められる通りにラベル上に表示されること。但し、水がトマト濃縮物の可溶性トマト固形物含量を当該食品について許される可溶性固形物レベルの範囲内に調整するために加えられる場合には、水はこの材料表示中に表示されなくてもよい。
(ⅴ) §155.3(e)に明記した通りに可溶性トマト固形物含有率を測定する。§155.3(b)に明記した通りに適合状況を確認する。ロットは下記のように可溶性トマト固形物に関して適合しているものとみなされること。
(
a
) サンプル平均値が必要最低基準を満たすか超えている。
(
b
) 必要最低限度を1%より大きく下回る可溶性トマト固形物を含有するサンプル単位の個数が§155.3(c)(2)に示したサンプリング法の合格判定個数を超えない。
(b) 品質。
(1) トマト濃縮物 (濃縮トマト果汁を除く。これは可溶性トマト固形物5%まで希釈した場合には、本章の§156.145 に示したトマト果汁の品質基準に従うものとする) の品質基準は下記のようなものである。
(ⅰ) 8.1± 0.1%の可溶性トマト固形物まで水で希釈 (必要な時) した場合の本食品の色の濃度と赤色度は、マンセル色相板を下記のように組み合わせたものを回転させて得られる複合色以下である。
色相板1号の面積が53%;
色相板2号の面積が28%;および
色相板3号もしくは色相板4号のいずれか一方の面積が19%;もしくは
色相板3号の面積9 1/2%と色相板4号の面積9 1/2%(サンプルの外観に最も合うものであればどちらでもよい)。
(ⅱ) 600グラム (21オンス) 当たり全粒種子1個以下。
(ⅲ) 8.1± 0.1%の可溶性トマト固形物まで水で希釈した時の製品 100グラム(3.5オンス) 当たり下記の欠陥物 (単一種類もしくは組み合わせて)が36個以下。
(
a
) 長さ (広げないで) が5ミリメートル(0.20インチ) 以上の果皮片。
(
b
) 長さが1ミリメートル(0.039インチ) 以上の種子 (種子粒) 片。
(
c
) 暗褐色あるいは黒色の粒子 (微小片) 等の汚損物 長さが 1.6ミリメートル (0.0625インチ) を超えるものが4個以下で、そのうち 3.2ミリメートル(0.125インチ) 超えるものが1個以下で、かつ 6.4ミリメートル (0.25インチ) を超えるものが1つもない。
(2) 方法。必要ならば、 8.1± 0.1%の可溶性トマト固形物まで水で希釈する。
(ⅰ) §155.3(d)に定めた通りに色の濃度と赤色度を測定する。
(ⅱ) 全粒種子 よく混ぜ合わせ、希釈した濃縮物を 600グラム (21オンス) 秤量する。
流し台排水溝上に U.S. No.12 screen (米国規格12号スクリーン)(孔径1.68ミリメートル(0.066インチ) を置く。製品サンプルをスクリーン上に移す。容器を水でよく洗い、スクリーンに注ぎかける。水を適当に散布してサンプルをスクリーンに流しかける。スクリーンを調べて全粒種子の有無を確認する。適当な許容基準を適用する。
(ⅲ) 果皮、種子片、および汚損物 調製した濃縮物を大型白色皿の上に均一にまき広げ個々の欠陥物を取り出し、同定し、分類し、測定する。
(3) サンプリングおよび合格判定。§155.3(b)に明記した通りに適合状況を確認する。
(4) 本トマト濃縮物の品質が本 sectionの paragraph (b)(1)および(3)に定めた基準を下回る場合には、ラベルは、本章の§130.14(a)に明記した基準以下品質に関する一般表示を、そこに明記されている方法と形式により表示するものとする。但し、本トマト濃縮物の品質が1つの点についてのみ基準を下回る場合には、ラベルは、上記の基準以下品質に関する一般表示の代わりに、“Below Standard in Quality
(〜のため品質は基準以下)”という代替説明を表示してもよい。空欄は、当該トマト濃縮物が適合できない、本 sectionの paragraph (b)(1)のもとでの対応する単数もしくは複数の paragraphに従って指定される語 (下記のようなもの) を記入する。
(ⅰ) “Poor coler (色が不十分)”。
(ⅱ) “Excessive seeds(種子過剰)”。
(ⅲ) (
a
) “Excessive pieces of peel(果皮片過剰)”。
(
b
) “Excessive pieces of seed(種子片過剰)”。
(
c
) “Excessive blemishes (汚損物過剰)”。
(c) 容器の充填。1 トマト濃縮物の容器充填基準は、本章の§130.12(b)に定めた容器充填の一般測定法により測定して、全容量の90%以上である。但し、食品が冷凍される場合を除く。
(2) §155.3 に明記した通りに適合状況を確認する。
(3) トマト濃縮物が本 sectionの paragraph (c)(1)および(2)に定めた充填基準を下回る場合には、ラベルは、本章の§130.14(b)に明記した基準以下充填に関する一般表示を、そこに定められている方法と形式により表示するものとする。
〔48 FR 3954, Jan. 28, 1983, 49 FR 15073, Apr. 17, 1984 にて改正; 58 FR 2883, Jan. 6, 1993 ; 58 FR 17104, Apr. 1, 1993〕