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公益財団法人 日本食品化学研究振興財団
FDA 21CFR(仮和訳)

115  殻付き卵
 

§50   小売販売用殻付き卵の冷蔵

§115.50 小売販売用殻付き卵の冷蔵

(a)本sectionにおいて、「小売店」とは食品を貯蔵、調整、包装、提供、販売、その他食品を直接消費者に供給する機能を意味する。
(b)本sectionのparagraph(c)に規定されている場合を除き、州内外の取引にかかわらず、小売販売用に保存されるすべての殻付き卵は、
(1)小売店に受け渡されたのち直ちに、本sectionのparagraph(b)(2)に規定されるとおり、速やかに冷蔵保存するものとする。わずかな冷蔵の遅延が避けられない場合、当該卵はできる限り早期に冷蔵保存しなければならない。
(2)小売店に保存されている間、7.2℃(45°F)未満の環境温度で冷蔵保存あるいは陳列するものとする。
(c)特別に加工してすべての生存能力のあるサルモネラ菌を死滅させた殻付き卵は本sectionのparagraph(b)の要件から免除される。
(d)公衆衛生法(PHS法)311および361条に従い、本sectionのparagraph(b)の施行において食品医薬品局を進んで助力するあるいは助力することができ、小売店を検査あるいは規制する権限を有するあらゆる州および地方自治体は、FDAがそのような助力はもはや必要でない旨書面で当該州あるいは地方自治体に通知するまで、本sectionのparagraph(f)にもとづく検査および本sectionのparagraph(e)に明確に規定される行政施行措置を通じて、各々独自の管轄内で本sectionのparagraph(b)を施行することができる。本sectionのparagraph(e)にもとづく助力を提供する時、州あるいは地方自治体は、本sectionのparagraph(e)(2)(iii)から(e)(2)(iv)までに明確に述べられた聴聞会の手続きに従い、必要であれば指定されたFDA職員の代わりに該当する州あるいは地方自治体の職員に務めさせることができ、正当な処理の条件に合う場合には州あるいは地方自治体の聴聞会手続きを使用することができる。
(e)本sectionは、連邦食品医薬品化粧品法(本法)およびPHS法の管轄下で制定されている。。本法に従い、FDAは21 U.S.C. 331, 332, 333および334に規定される食品品質低下に関する条項を施行することができる。しかし、42 U.S.C. 264は、実施中の施行規則の公布を規定しており、したがって、FDAは、以下に挙げる殻付き卵の転用あるいは破棄に関する行政施行手続きおよびPHS法にもとづく非公式な聴聞会に関する行政施行手続きを制定した。
(1)いかなる殻付き卵であれ、それが本sectionに違反していることが発見されれば直ちに、権限のあるFDA代表者あるいは州・地方自治体の代表者は、本sectionのparagraph(d)に従い、そのような卵について、卵製品検査法(EPIA)(21 U.S.C. 1031以降)に従って処理されるよう当該代表者の監督のもと転用を命じたり、また、FDAの職員、妥当な場合には、州あるいは地方自治体の職員、の監督のもと廃棄を命じたりすることができる。その場合、以下の手続きに従うものとする。
(i)転用、廃棄命令。
本sectionのparagraph(d)のもと職務を遂行するFDAの地方部署、あるいは州・地方自治体は、殻付き卵が本sectionに違反していることを発見するとすぐ、当該卵の所有者に対し、そのような卵について、EPIA(21 U.S.C. 1031以降)に従って処理されるよう命令公布団体の職員の監督のもと転用すること、あるいは、命令受領の日から10営業日以内に、命令公布団体の監督の下、廃棄することを命じた書面による命令書を当該所有者に発行することができる。
(ii)命令の公布。
命令は下記の情報を含むものとする。
(A)当該命令書に述べられている殻付き卵が、EPIAに従った処理のための転用・廃棄の対象である旨を記す文言。
(B)当該命令書の発行を正当化する事実の詳細な説明。
(C)卵のある場所。
(D)本sectionのparagraph(e)(1)(v)に規定される場合を除いて、当該卵が、販売・流通されてはならず、またそうでない場合も処分されてはならず、移動されてはならないという文言。
(E)当該卵の同定・説明。
(F)命令番号。
(G)命令日。
(H)本section全文。
(I)当該命令は、書面による再審理請求書により、あるいは、非公式な聴聞会を請求することにより、上訴できる旨を記す文言。
(J)当該命令書を発行する人の氏名および電話番号。
(K)担当部署あるいは機関の場所および電話番号、およびその指揮監督者たる人の氏名。
(iii)指揮監督者の承認。
発行前に、命令書は、当該殻付き卵の所在する地区の食品医薬品局地方局長の承認を得なければならない。あらかじめ紙面により承認を得ることが不可能である場合、あらかじめ口頭で承認をえなければならず、できるかぎり早急に書面による覚書によりこれが確認されなければならない。
(iv)命令にもとづく殻付き卵の表示。
本sectionのparagraph((e)(1)にもとづき命令書を発行するFDAあるいは州、地方自治体の代表者は、下記の情報を含めた公式な付け札を付けることにより卵にしるしを付けなくてはならない。
(A)PHS法(42 U.S.C. 264(a))の361(a)項のもと公布される規則に従い、当該殻付き卵は差し押さえられる旨を記す文言。
(B)命令公布団体に書面で通知した後、当該卵が販売・流通されたり、そうでない場合も処分されたり、以下のことが目的である場合を除き、移動されたりしてはならないという文言。
1)EPIAに基いた処理を行うよう当該卵を転用すること、および、廃棄すること。
2)上訴待ちのため当該卵を別の場所に移動させること。
(C)当該命令に対する違反あるいは付け札を取り外したり変更したりすると、罰金あるいは禁固、あるいはその両方により罰せられる場合がある旨を記す文言(PHS法の368項、42 U.S.C. 271)。
(D)命令書番号および発行日、命令書を発行した政府代表者の氏名。
(v)命令にもとづく殻付き卵の販売あるいは廃棄。
命令の送達後、命令書の対象となっている殻付き卵の所有者は、上訴後当該通知が撤回されない場合もしくは撤回されるまで、当該命令書の対照たる殻付き卵を販売・流通してはならず、またそうでない場合も処分してはならず、また移動してはならないものとする。ただし、FDAの地方職員、また妥当な場合には州または地方機関に書面で通知した後、以下の場合を除く。
(A)本sectionのparagraph(e)(1)(i)に規定されるとおり、当該卵について転用、廃棄する。
(B)上訴待ちのため当該卵を別の場所に移動させる。
(2)転用、あるいは廃棄の命令が出されている人物は、当該命令に従うか、あるいは以下の手続きに従ってFDA地方食品医薬品管理者に対し命令を上訴することができる。
(i)留置命令の上訴。
いかなる上訴も、当該殻付き卵が位置する地方のFDA地方管理者に、書面で、命令の公布日から5営業日以内に提出することができる。当該上訴に非公式な聴聞会の開催要求が含まれている場合には、上訴の提出から5営業日以内に、また上訴人から要求があれば後の日付けで聴聞会を開催するものとする。ただし、命令の公布後20暦日以上経過した後であってはならない。命令に対して当該卵の所有権を持つ他の人によっても、同じく5営業日内であれば上訴することができる。命令に対する上訴人は、同人が殻付き卵に対して持つ所有権を申し立てるものとする。
(ii)即決裁定。
FDA地方食品医薬品管理者あるいはその被指名人が、聴聞会に関連して提出された資料により、あるいは正式に通知された問題点からまったく主要事実に関する紛れない重要な争点が提起されなかったと判断した場合、聴聞会開催の要求は、その全体あるいは一部を、要求提出後いつでも却下することができる。FDA地方食品医薬品管理者が、聴聞会開催には正当性がないと判断した場合、当該判断の書面による通知が当事者に行われ、却下理由の説明をするものとする。
(iii)非公式の聴聞会。
上訴人の聴聞会への出席については、郵便によって行うこともでき、本人が直接出席することもでき、弁護人を伴うことも、伴わないことも可能である。非公式聴聞会は、FDA地方食品医薬品管理者あるいはその被指名人により行われるものとし、その手続きに関する書面による概要はFDA地方食品医薬品管理者によって作成されるものとする。
(A)FDA地方食品医薬品管理者は、聴聞会が法規および本sectionに認められた適切な方法で行われるよう指示することができる。FDA地方食品医薬品管理者は、命令を維持し、公平・迅速・公明正大な非公式聴聞会を開催するのに必要とされ妥当とされるような措置を講じ、裁定を下す権限および聴聞会の開催に関し必要な要件を施行する権限を有する。
(B)FDAの職員は、最初に聴聞会の対象となっている措置を、それを支持する情報および理由と共に、正規に完全に述べるものとし、聴聞会に関連する情報は口頭あるいは書面で提示することができる。その後、聴聞会開催を要求した側の当事者は、聴聞会に関連する情報を口頭あるいは書面で提示することができる。すべての当事者は、聴聞会で当該問題に関する陳述を行うあらゆる人(聴聞会司会者および当事者の弁護人を除く)について妥当な尋問を行うことができる。
(C)当該聴聞会は本来非公式なものでなければならず、証拠法則は適用されない。情報や意見の許容性に関するいかなる動議あるいは異議も唱えられず、斟酌されないが、いずれの当事者も、他の当事者によって出された情報および意見について意見を述べたり、反証を挙げたりすることができる。
(D)聴聞会を要求した側の当事者は、当該当事者の費用で聴聞会の議事録を作成することができる。そのような場合には、議事録の写しをFDAにおさめるものとする。すべての聴聞会議事録は、FDA地方食品医薬品管理者の発行する聴聞会報告書に同封されるものとする。
(E)FDA地方食品医薬品管理者は、書面による聴聞会報告書を作成するものとする。聴聞会で提示されたすべての書面による資料は、当該報告書に添付される。時間が許す場合は必ず、FDA地方食品医薬品管理者は、当該報告書を検査し、それについて意見を述べる機会を当事者に与えることができる。
(F)FDA地方食品医薬品管理者は、当該聴聞会報告書の一部として、信頼性が聴聞会に大きく影響する場合は必ず、証人(証人が専門家である場合を除いて)の信頼性についての所見を含めるものとし、裁定勧告および裁定理由についての文言を含めるものとする。
(iv)書面による上訴。
上訴人が留置命令に対して上訴するが聴聞会の開催を要求しない場合、FDA地方食品医薬品管理者は、当該上訴を受理してから5営業日以内に留置を支持するあるいは取り消す裁定を提出するものとする。
(v)地方食品医薬品管理者の裁定。
聴聞会で提示された、あるいは、書面による上訴で上訴人が提示した証拠に基き、FDA地方食品医薬品管理者が、当該殻付き卵について本sectionに違反しているという判断を示した場合、EPIAに基いて処理されるようFDA職員の監督のもと当該卵を転用する、またはFDA職員の監視のもと廃棄するという命令を支持するものとする。そうでない場合、FDA地方食品医薬品管理者は、先の命令は撤回するとの書面による通知を発行するものとする。FDA地方食品医薬品管理者が当該命令を支持する場合、FDA地方食品医薬品管理者は、同管理者の裁定の公布日から10営業日以内に転用、あるいは廃棄が完全に行われるよう命令を下すものとする。FDA地方食品医薬品管理者の裁定は、その裁定の理由が必要である。FDA地方食品医薬品管理者の裁定は、食品医薬品局の最終措置とするが、裁判で再審可能なものとする。
(vi)上訴がない場合。
命令に関し上訴がないにもかかわらず命令の対象たる殻付き卵の所有者が10営業日以内に転用、あるいは廃棄しない場合、また、上訴後、命令要求がFDA地方食品医薬品管理者によって支持されたにもかかわらず当該卵の所有者が10営業日以内に転用、あるいは廃棄しない場合、FDA地方職員、あるいはしかるべき州・地方機関が、職員に命じて当該卵を転用あるいは廃棄することができる。指名された職員が当該殻付き卵の転用廃棄を妨害したり妨害しようとしたりすることは、違法であるものとする。
(f)検査。
殻付き卵の小売に従事している者は、権限を持つFDAの代表者が妥当な時に殻付き卵を保管している小売店の検査(当該代表者が、本sectionの条項に従っているか否かを判断するのに必要であろうような当該卵および当該卵の保管施設の検査およびサンプリング、およびそのような施設あるいは卵に関連する記録を含む)を行うのを認めるものとする。検査は、通告なく、あるいは通告後行われることができ、一般に通常の営業時間内に行われる。
(g)先取。
いかなる州あるいは地方自治体も実質的に、小売店において低温殺菌されていない殻付き卵を7.2℃(45°F)より高い温度で冷蔵することを認める法規、規則、規制、その他の要件を制定したり、あるいは、これらを延期することはしないものとする。

65 FR 76112, Dec. 5, 2000