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公益財団法人 日本食品化学研究振興財団
FDA 21CFR(仮和訳)

172  食品に直接添加するために許可された食品添加物
多目的添加物

§820  ポリエチレングリコール(平均分子量 200−9500)

§172.820 ポリエチレングリコール(平均分子量 200−9500)
 
本 sectionで同定するポリエチレングリコールは、下記の条件に従って食品に使用できる。
(a) 同定
(1) 本添加物は、平均分子量 200−9500を有する、酸化エチレンと水の付加重合体である。
(2) 本 sectionの paragraph(b)の分析法で試験を行った結果、本品に含有されるエチレン、ジエチレングリコールの総量は 0.2%以下である。
(b) 分析法
(1) National Formulary XV (1980), p.1244に記載されるポリエチレングリコール400 の分析法に基づき、平均分子量 450以上のポリエチレングリコールに含まれるエチレン、ジエチレグリコールの総量を定量する。
(2) 下記の分析法に基づき、平均分子量 450以下のポリエチレングリコールに含まれるエチレン、ジエチレングリコールの総量を定量する。
 
分析法
ポリエチレングリコール中のエチレングリコールとジエチレングリコール含量
エチレングリコールとジエチレングリコールの定量分析法は下記の通りである。

装 置
水素炎イオン化検出器付きガスクロマトグラフ(Varian Aerograph 600 D 又はそれと同等のもの)。 Varian Aerograph 600 D ガスクロマトグラフは次の条件で使用するものとする。
カラム温度: 165℃
入口温度: 260℃
キャリヤーガス(窒素)流量:70ml/min
バーナーへの水素/空気量:最高感度になるよう設定。
試料の大きさ:2μl
溶出時間:エチレングリコール 2.0分、ジエチレングリコール 6.5分
記録計:全範囲(full span)− 0.5〜+1.05mV 全応答時間1秒
シリンジ:10μml(Hamilton 710 N 又はそれと同等のもの)
クロマトカラム:5ft×1/8inch(内径) のステンレス管。60−80メッシュの無酸洗いケイ藻土(Chromosorb W. John-Manville 又は相当品)上に重量比でソルビトール(Mathieson-Colenan-Bell 2768 Sorbitol sx850 又はそれと同等のもの) 12%水溶液を充填したもの。

試薬と材料
キャリヤーガス(窒素):市販グレードのものガスクロマトグラフを 50 p.s.i.g.に設定する減圧調整器付きシリンダーに封入。
エチレングリコール:市販グレードのもの。必要に応じ、蒸留精製する。
ジエチレングリコール:市販グレードのもの。必要に応じ、蒸留精製する。
グリコール標準液:既知量のエチレングリコールとジエチレングリコールを水に溶かしてクロマドグラフ標準液を調製する。標定に適した各成分の濃度範囲は1ml当り1−6mgである。(例えば、10mgを10mlメスラスコで希釈して定容にすると1ml当り1mgになる)

標 定
グリコール標準液のアリコート2μl を上記の条件に設定したガスクロマトグラフに注入する。エスレングリコールとジエチレングリコールに対する正味のピーク高さを測定する。その測定値を次のように記録する。
A=エチレングリコールのピーク高さmm
B=標準液1ml当りのエチレングリコールのmg
C=ジエチレングリコールのピーク高さmm
D=標準液1ml当りのジエチレングリコールのmg

方 法
ポリエチレングリコール試料約4gを10mlメスフラスコに正確に秤りとる。水で希釈して定容とする。溶液を十分に混合した後、2μl のアリコートをガスクロマートグラフに注入する。エチレングリコールとジエチレングリコールのピーク高さmmを測定し、各々E、Fとして記録する。
エチレングリコール%=(E×B)/(A×試料重量g)
ジエチレングリコール%=(F×D)/(C×試料重量g)

(c) 用途:本品は、ミルク、又はミルク添加用製剤を除き、下記の用途に使用できる。
(1) 食品用錠剤のコーティング、結合剤、可塑剤、及び/又は潤滑剤。
(2) 香味向上補助剤、及び本章§184.37で同定した非栄養性甘味料基剤。
(3) ビタミン、及び/又はミネラル製剤の分散補助剤。
(4) 亜硝酸ナトリウムの吸湿防止被膜。
(d) 制限
(1) 本品は所定のポリエチレングリコール残留物の許容量はゼロとする。
  
〔42 FR 14491, Mar. 15, 1977, 49 FR 10105, Mar. 19, 1984にて改正〕