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公益財団法人 日本食品化学研究振興財団
FDA 21CFR(仮和訳)

109  食品および食品包装材における不可避の汚染物質
不可避の有毒あるいは有害物質の許容量

§30  ポリ塩化ビフェニール (PCB)の許容量

§109.30 ポリ塩化ビフェニール (PCB)の許容量
 
(a) ポリ塩化ビフェニール (PCB)は有毒産業化学物質である。PCBは、産業的に広範囲で際限りなく使用されてきたために、今では恒久的かつ世界的な環境汚染物質になっている。結果として、特定の食品や動物用飼料、特に動物性のものや海から採取されるものは、不可避の環境汚染物質であるPCBを含有している。PCBは、PCBを含む飼料を食べた食品産出動物を通って、その動物の可食部分(肉、牛乳、卵)へと運ばれる。その上、相当な割合の食品包装紙にはPCBが含まれているため、そのPCBが食品に移る事も考えられる。食品包装紙に含まれているPCBの主要な源は、再生紙を製造するために使用した古紙ストック中のカーボンレスコピー用紙(PCB3〜5%)の一種である。従って、不可避の環境、産業汚染物質としてのPCB残留量の暫定許容量は、本 paragraphが有効となる日から後、十分な一定期間の許容量として制定し、このような汚染物質を実行可能な限り早急に排除する。本 paragraphの目的から、「ポリ塩化ビフェニール (PCB)」の語は、PCBのどの混合物が残留物質として存在するかにかかわらず、塩化ビフェニール化合物の混合物を指すものである。PCB残留量の暫定許容量は次の通りである。
(1) 牛乳(脂肪成分) 1.5 ppm。
(2) 製造乳製品(脂肪成分) 1.5 ppm。
(3) 家禽(脂肪成分) 3 ppm。
(4) 卵 0.3 ppm。
(5) 食品産出動物のための完成動物用飼料  0.2 ppm。(濃縮飼料、補助飼料、プレミックス飼料等の完成動物用飼料を除く)
(6) 魚肉その他の海から採取する副産物を含む動物性の動物用飼料成分、食品産出動物のための完成動物用濃縮飼料、補助飼料、プレミックス飼料 2 ppm。
(7) 魚、貝・甲殻動物 (食用部分) 2 ppm。魚の食用部分とは、頭、うろこ、内臓、食用に適さない骨を除いた部分である。
(8) 乳幼児食 0.2 ppm。
(9) 人間が摂取する食品、完成動物用飼料、動物用飼料の成分のための食品包装紙 10ppm 。食品と食品包装紙がPCBを透過しない有用な遮蔽物で隔てられている場合、この許容量は適用されない。
(b) このセクションに規定される許容度への適合性を判断するための「ポリ塩化ビフェニールの分析方法—1979年6月 (Analytical Methodology for Polychlorinated Biphenyls, June 1979)」という印刷物は、食品医薬品局認可証管理部門 (HFA-305) (5630 Fishers Lane,rm.1061,Rockville,MD 20852.)から入手可能である。
(c) ある保護層によって包装素材から食品へのPCBの移動が同じ実験条件下で保護層を使わない場合に10ppmのPCBを含む包装素材から生じる移動を上回らないレベルに抑制されるならば、その保護層は本sectionのparagraph (a)(9)の目的達成上の機能を果たしている。ある級の保護層の代表的なものによって包装素材から食品へのPCBの移動が同じ実験条件下で保護層を使わない場合に10ppmのPCBを含む包装素材から食品に生じる移動を上回らないレベルに抑制するならば、その級の保護層素材は本sectionのparagraph (a)(9)の目的達成上の機能を果たしている。移動レベルは本paragraphの目的達成上においては、参考文献として本文書の一部を成す「食品包装のPCB浸透性測定の試験手順、内部包装、1976年9月、改訂1983年5月 (Test Procedures for Determination of PCB Permeability of Food Packaging, Inner-Wraps, September 1976, revised May 1983) 」に述べられた実験条件によってのみ測定される。同文献は食品医薬品局認可証管理部門 (HFA-305) (5630 Fishers Lane,rm.1061,Rockville,MD 20852.)から入手可能であり、また国立公文書記録管理局(NARA)にて閲覧できる。NARAに本資料の利用について問い合わせるには、202-741-6030に電話するか、 http://www.archives.gov/federal-register/code-of-federal-regulations/ibr-locations.htmlへアクセスされたい。ある級の保護層素材が機能を果たしていると見なされるには、食品医薬品局食品安全応用栄養センター所長が級の定義と1つ以上の代表的な保護層の指定を認めることが条件となる。もし、食品安全応用栄養センター所長が、センターに提示された保護層素材の級の定義や代表的な保護層の指定に関する案を認めなかった場合には、所長は提案を行った者にセンターによる却下の理由を提案受領90日以内に知らせることとする。級の定義に関するあらゆる提案と、そのような提案に関する食品医薬品局の決定は、食品医薬品局認可証管理部門 (HFA-305) (5630 Fishers Lane,rm.1061,Rockville,MD 20852.)の記録 に記載される。
(d) ある保護層、またはある級の保護層が機能を果たすことを主張する者はすべて、その保護層、またはその級の保護層が機能を果たすことを判定するために行われた検査結果を食品医薬品局食品安全応用栄養センター(HFS-308) (5100 Paint Branch Pkwy., College Park, MD 20740)に提出しなければならない。すべての保護層、またはすべての級の保護層は、参考文献として本文書の一部を成す「食品包装の PCB浸透性測定の試験手順、内部包装、1976年9月、改訂1983年5月(Test Procedures for Determination of PCB Permeabilityof Food Packaging, Inner-Wraps, September 1976, revised May 1983)」で指定される4つの固体食品リセプター(solid food receptors)を使って検査されなければならない。この参考文献の入手については本sectionのparagraph (c)に記した。それぞれの保護層の試験結果には、(1) 同定を可能にするための保護層の成分に関する適切な記述、さらに(2) 適切な技術的特徴の記述による保護層の具体的な定義を添付しなければならない。食品安全応用栄養センターは提出された試験結果を迅速に検討しなければならない。試験結果の受領後60日以内に食品安全応用栄養センター所長は試験結果を提出した者に、試験が参考文献として本文書の一部を成す「ポリ塩化ビフェニールの分析方法 (1979年6月) (Analytical Methodology for Polychlorinated Biphenyls; June 1979)」、または「食品包装の PCB浸透性測定の試験手順、内部包装、1976年9月、改訂1983年5月 (Test Procedures for Determination of PCB Permeability of Food Packaging, Inner-Wraps, September 1976, revised May 1983)」に従って行われたかどうか、またそれによってその保護層またはその級の保護層が本sectionのparagraph(c)に基づいて機能を果たすと見なされるかどうかを通知することとする。試験結果と食品医薬品局の返答はすべて、食品医薬品局認可証管理部門 (HFA-305) (5630 Fishers Lane,rm.1061,Rockville,MD 20852.)の記録に記載される。
  
〔42 FR 52819, Sept. 30, 1977, 44 FR 38340, June 29, 1979 にて改正; 46 FR 8459, Jan. 27, 1981; 48 FR 10811; Mar. 15, 1983; 48 FR 37021, Aug. 16, 1983 ; 54 FR24892, June 12, 1989; 59 FR 14364, Mar. 28, 1994; 61 FR 14480, Apr. 2, 1996; 66 FR 56035, Nov. 6, 2001
  
施行日注: 1973年8月24日、38 FR 22794 にて、下記が§109.30(a)(9) (前122.10(a)(9)) に関して生じた。

***§109.30(a)(9)はここに、公聴会のための反対意見、要請の完全見直しを審理中とする。***

中期的には、最終法令(38 FR 18098)にも述べられている通り、食品医薬品局は、§109.30(a)(9)で制定した一時的許容量を有効とし、1973年9月4日以降に州間貿易で出荷される食品包装材で、法第 402節に違反して品質を低下する規定以上のPCB濃度の包装材を押収する。