公益財団法人
日本食品化学研究振興財団
FDA 21CFR(仮和訳)
145 缶詰フルーツ
特定の規格缶詰フルーツの要件
§185 缶詰スモモ
§145.185 缶詰スモモ
(ａ) 同定
(１) 材料。缶詰スモモは、 Prunus domestica L.の特性に一致するスモモ品種、 Prunus italica L.の特性に一致するグリーンゲージ品種、 Prunus insititia L.の特性に一致するミラベルあるいはドメスチカ品種、あるいは Prunus cerasifera Ehrh.の特性に一致するベニバ品種の、清潔で傷のない完熟果実から調製した食品である。本食品は、本 sectionの paragraph (a)(2)に規定する、スモモ材料の任意の様式の一つ、および 本 sectionの paragraph (a)(3)に規定する任意の包装充填液の一つから構成される。本食品は、さらに、以下の安全で適当な任意の成分の一つ、あるいは二つ以上の組み合わせを含有することができる：
(ⅰ) 天然および人工着香料。
(ⅱ) 香辛料。
(ⅲ) 食用酢、レモン果汁、あるいは有機酸。
(ⅳ) 人工着色料。
本食品は、容器に封入し、封の前後いずれかに、腐敗を防ぐための熱処理を行う。
(２) スモモ材料の任意の様式。本 sectionの paragraph (a)(1)で規定する任意のスモモ材料は、皮をむいた、あるいは皮をむかない、次のものである：
(ⅰ) 全 形。
(ⅱ) 半切れ。
皮をむいた、あるいは皮をむいていない全スモモは、種を除いた場合を除いていない場合とである。皮をむいた、あるいは皮をむいていないスモモの半切れは、種を除いてある。
(３) 包装充填液。
(ⅰ) 本 sectionの paragraph (a)(1)で言及した任意の包装充填液は、§145.3 に規定する次のものである：
(
ａ
) 水。
(
ｂ
) 果汁と水。
(
ｃ
) 果 汁。
以上の包装充填液は、そのままで使用することができる。あるいは、安全で適切な栄養性炭水化物甘味料の一つ、あるいは二つ以上の組み合わせを添加することもできる。§145.3 で定義される甘味料は、その定義どおりでなければならない。ただし、本章 Part168に同定規格のある栄養性炭水化物甘味料は、§145.3 に示されるすべての定義の代わりに、上記の規格に適合しなければならない。
(ⅱ) 甘味料を、以上のような包装充填液の一部として添加する場合は、添加後の包装充填液の密度範囲を、§145.3(m)に記載した方法で測定し、ショ糖の重量％ (ブリックス度) で表し、各々の密度範囲に適切な名称で示さなければならない。すなわち：
(
ａ
) 溶液の密度が11％以上15％未満のときは、各々の場合に応じて、充填液を、(slighty sweetened water(わずかに甘味をつけた水)” または “extra light syrup (極薄シロップ)”、“slightly sweetened fruit juice(s) and water (ごく薄く甘味をつけた果汁と水)”、または “slightly sweetened fruit juice(s)(ごく薄く甘味をつけた果汁)”と呼ぶものとする。
(
ｂ
) 溶液の密度が15％以上19％未満のときは、各々の場合に応じて、充填液を “light syrup(薄シロップ)”、“lightly sweetened fruit juice(s) and water(薄く甘味をつけた果汁と水)”、または “lightly sweetened fruit juice(s) (薄く甘味をつけた果汁)”と呼ぶものとする。
(
ｃ
) 溶液の密度が19％以上25％未満のときは、各々の場合に応じて、充填液を “heavy syrup(濃シロップ)”、“heavily sweetened fruit juice(s) and water(濃く甘味をつけた果汁と水)”、または “heavily sweetened fruit juice(s) (濃く甘味をつけた果汁)”と呼ぶものとする。
(
ｄ
) 溶液の密度が25％以上35％未満のときは、各々の場合に応じて、充填液を “extra heavy syrup(極濃シロップ)”、“extra heavily sweetened fruit juice(s) and water(極めて濃い甘味をつけた果汁と水)”、または “extra heavily sweetened fruit juice(s) (極めて濃い甘味をつけた果汁)”と呼ぶものとする。
(４) 表示要件。
(ⅰ) 本食品の名称は「スモモ」で、「黄色」、「金色」、「赤色」、または「紫色」のうち適切なもの、あるいは、品種の特定名、すなわち「グリーンゲージスモモ」、「ドメスチカスモモ」、「ベニバスモモ」、「ミラベルスモモ」を添える。製品を特徴づける着香料が含まれるときは、本章§101.22の規格に従い、その表示を、また食品を特徴づける香辛料あるいは調味料が含まれているときはそれらの表示を本品の名称に入れなければらない。例えば、“Spice added (香辛料添加)”、“Spice (香辛料) という語の代わりに香辛料の一般名を用い、“Seasoned with vinegar (食用酢で調味した)”とする。本 sectionの paragraph (a)(1)(ⅱ) および (ⅲ) に規定する任意の成分の二つ以上を使用するときは、それらの語を、例えば、“Seasoned with cider vinegar, cloves, cinnamon oil (リンゴ酢、クローブ (丁子) 、およびシナモン油で調味した) のように組み合わせることができる。
(ⅱ) 本 sectionの paragraph (a)(2)に規定するスモモ材料の様式、ならびに、「“In(〜の中) 」あるいは「“Packed in (〜の中に包装した)”という語に続く、本 sectionのparagraph (a)(3)の (ⅰ) および (ⅱ) に規定する包装充填液の名称、を本食品の名称の一部として含めるか、名称のすぐ近くに表示しなければならない。スモモ材料の様式の前後いずれかに、皮をむいたスモモの場合は “Peeled (皮をむいた)”、種を除いた全スモモの場合は “Pitted (種を除いた)”と表示しなければならない。“Halves(半切れ)”は、“Halved (半切れの)”と表示することができる。甘味に加えて、味、香味、その他の性質を完成品に与える甘味料を用いて包装充填液を調製するときは、包装充填液の名称に、その甘味料の名称を添えなければならない。例えば赤砂糖とはちみつの混合物の場合、適切な説明は、“---sirup of brown sugar and honey (赤砂糖とはちみつの○○○○シロップ)”となり、空白は、各々の場合に応じて、“light (薄)”、“heavy (濃)”、あるいは “extra heavy(極濃)”の語で埋める。本 sectionの paragraph (a)(3)(ⅰ) および (ⅱ) で規定する包装充填液の液体部分が果汁の場合は、次のように、包装充填液の名称中に、その果汁を表示しなければならない。
(
ａ
) 単一の果汁の場合は、“fruit (果実)”という語の代わりに、その果汁の名称を用いなければならない。
(
ｂ
) 二つ以上の果汁の組み合わせの場合は、果汁の名称を、重量の大きいものから順に並べて、包装充填液の名称中の “fruit(果実)”という語の代わりに使用するか、あるいは、本 sectionの paragraph (a)(4)(ⅲ) の規格に従い、ラベル表示するかしなければならない。そして、
(
ｃ
) 単一の果汁、または二つ以上の果汁の組み合わせでいずれかが濃縮還元の場合は、“from concentrate(s) (濃縮還元)”という語を、包装充填液の名称中の “juices(s)(果汁)”という語の後につけなければならない。また、本 sectionの paragraph (a)(4)(ⅲ) の規格に従って表示をしているときには、上記の果汁の名称中の “juices(s)(果汁)”という語の後にも、“from concentrate(s) (濃縮還元)”という語をつけなければならない。
(ⅲ) 使用された果汁の名称が、本 sectionの paragraph (a)(4)(ⅱ)(
b
)の規定に従い、包装充填液の名称の中に示されていないときはいつでも、その名称、および本 sectionのparagraph (a)(4)(ⅱ)(
c
)に規定する “from concentrate(s)(濃縮還元)”という語を、本章§101.3(d)の要件に従って、成分表示の中に示されなければならない。
(ⅳ) ラベル表示。本食品中に使用の、材料、成分の各々は、本章 part 101 および 130の該当するsectionに規定するように、ラベル上に表示するものとする。
(ｂ) 品質。缶詰スモモの品質規格は以下のとおり：
(ⅰ) 傷 (損傷) 。以下の要素の一つ、あるいは組み合わせにより傷ついた、あるいは損傷をうけたスモモは、§145.3(n)に記載する方法に従って水切りしたスモモの30重量％以下：害虫による損傷、摩擦、病気、外表面の異常 (exterual stone gum) あるいは変色により、外見や品質が損なわれたもの。
(ⅱ) 全形、あるいは半切れ様式におけるくずれた、あるいはつぶれた単位。全形の場合、果実の正常な形が著しく変化するほど変形した、あるいはくずれたものは、水切りスモモ重量の25％以下。半切れの場合、スモモ半分の50％より小さくなるほど損傷をうけた、あるいは引き裂かれたものは、水切りスモモ重量の25％以下。
(ⅲ) 損傷、およびくずれた、あるいはつぶれた単位。本 sectionの paragraph (b)(1)(ⅰ) に規定する傷、および本 sectionの paragraph (b)(2)(ⅱ) に規定する、全形あるいは半切れ様式におけるくずれた、あるいはつぶれた単位は、合わせて水切りスモモ重量の35％以下。
(ⅳ) 植物性異物。スモモの木の軸、茎、およびその他の植物性異物は、水切りスモモ 200ｇ (７オンス) 当り１個以下。
(ⅴ) 全形様式における実から離れた種。もろい種は、水切りスモモ 500ｇ (17.6オンス) 当り三個以下。
(ⅵ) 種を除いた全形、あるいは半切れ様式における種、および種の細片、種および種の細片は、水切りスモモ 500ｇ(17.6 オンス) 当り二個以下。
(２) §145.3(o)の規格に従い、適合を決定する。ただし、あるロットを、§145.3(p)に記載したサンプリング計画に従って分析したすべてのサンプルの平均値をもとに判断したとき、全形様式における植物性異物、もろい種、および種を除いた全形および半切れ様式における種および種の細片に関して、適合とみなされなければならない。
(３) 缶詰スモモの品質が、本 sectionの paragraph (b)(1)に規定する基準以下の場合には、ラベルに、本章§130.14(a)に規定する基準以下の品質の一般表示を、そこに規定する方法、形式で行わなければならない。ただし、缶詰スモモの品質が、本 sectionの paragraph (b)(1)(ⅰ) から (ⅵ) に規定する品質の要素のうち、ただ一要素のみについて基準以下の場合は、上記基準以下の品質の一般表示の第二行 (“Good Food−Not High Grade (高品質ではないが良い食品)”) を、当該缶詰スモモが満たしていない、本 sectionの paragraph (b)(1)の相当する表示の後に規定する。次の新しい行で代用することができる：
(ⅰ) “Blemished (損傷物)”
(ⅱ) “Partly crushed or broken(一部くずれあるいはつぶれあり)”
(ⅲ) “Blemished and partly crushed or broken(損傷物および一部くずれあるいはつぶれあり)”
(ⅳ) “Coutains extraneous plant material(植物性異物を含む)”
(ⅴ) “Contains loose pits (もろい種を含む)”、あるいは
(ⅵ) “Contains pits (種を含む)”、あるいは “Contains pieces of pits(種の破片を含む)”
(ｃ) 容器の充填。
(１) 缶詰スモモの容器充填量の基準は、次のとおり：
(ⅰ) スモモ、および包装充填液の充填量は、本章§130.12(b)に規定する容器充填量の一般的測定法で測定したとき、容器の全容量の90％以上である。
(ⅱ) スモモ材料の固形物重量は、§145.3(n)に規定する方法で測定したとき、全形の場合、本章§130.12(a)で測定する容器水容量の50％以上、半切れの場合55％以上。
(２) §145.3(o)の規定に従い、容器充填量の適合性を決定する。
(３) 缶詰スモモが、本 sectionの paragraph (c)(1)に規定する容器充填量の基準以下の場合は、ラベルに、本章§130.14(b)に規定する基準以下の容量の一般表示を、そこに規定する方法、形式で行わなければならない。缶詰スモモが、固形物重量について、容器充填量の基準以下の場合は、“Low drained weight(低固形物重量)”という語を、ラベルの基準以下の容量の一般表示の後につけなければならない。
〔42 FR 14414 Mar. 15, 1977, 58 FR 2880, Jan. 6, 1993で改正〕