公益財団法人
日本食品化学研究振興財団
FDA 21CFR(仮和訳)
110 食品の製造、包装及び保持における現行GMP
一般規定
§3 定 義
§110.3 定 義
連邦食品医薬品化粧品法 (法) 第 201節の用語の定義、解釈は、それらの用語を本Partで使用する場合も適用できる。また、以下の定義も適用する。
(a) 「酸性食品又は酸性化食品 (acid foods or acidified foods)とは平衡pH 4.6以下の食品をいう。
(b) 「適切な (adequate) 」とは、公衆衛生規範 (good public health practice)に従って、意図する目的を達成するために必要とされる水準であることをいう。
(c) 「練り粉 (batter) 」とは通常小麦粉と他の成分から成る半液体状物質のことをいい、この中に食品の主成分を漬けたり、これで主成分をコーティングしたり、直接これを使ってパン類を作ることができる。
(d) 「ブランチング (blanching)」とは、木の実、ピーナッツを除き、十分な時間十分な温度で食料を包装前に熱処理することをいい、部分的あるいは完全に天然に存在する酵素を不活性化し、食品中に他の物理的、生化学的変化を起こすことである。
(e) 「重要管理点 (critical control point) 」とは、食品加工において、不適切な管理が、危険、最終食品中の汚物、腐敗を引き起こす原因となる点をいう。
(f) 「食品 (food) 」とは、法第 201f節に定義した食品をいい、原材料、成分を含む。
(g) 「食品接触面 (food-contact surfaces)」とは、人間が摂取する食品に接触する面と正常な操業中に食品あるいは食品に接触する面へ排出物がそこから生じるような面をいう。「食品接触面」は、器具、装置の食品接触面も含む。
(h) 「ロット (lot)」とは、特定コードによって指示された一定時間に生産される食品をいう。
(i) 「微生物 (microorganisms) 」とは、イースト、カビ、細菌、ウイルスをいい、公衆衛生上重要な意味を持つ種を含むが、これに限られるわけではない。「望ましくない微生物」には、公衆衛生上重要な意味を持つ微生物で、食品を腐敗したり、食品が汚物によって汚染されていることを示したり、その他では、法の意味する範囲で、食品の品質低下を起こす可能性のある物を含む。FDAは、これらの規則の中では、微生物という語を含む形容詞節の代わりに「微生物の」という形容詞を使用することが時々ある。
(j) 「病害虫 (pest) 」とは、鳥、げっ歯類、ハエ、幼虫等の好ましくない動物あるいは昆虫のことをいうが、これに限られるわけではない。
(k) 「工場 (plant)」とは、人間の食品の製造、包装、表示、保持に使用、あるいは関係する建物、設備あるいは部分をいう。
(l) 「品質管理作業 (quality control operation)」とは、法の意味するところの品質低下から食品を守るために必要なすべての措置を取るための計画的でシステム化された方法をいう。
(m) 「リワーク (rework) 」とは、不衛生な状態という理由以外で加工から除去されたり、再加工によって良好な状態に直して食品としての使用に適切になるようにした清浄で品質の低下していない食品をいう。
(n) 「安全湿度レベル (safe-moisture level)」とは、製造、保管、流通の意図された条件下において、完成品に望ましくない微生物が繁殖するのを防ぐために必要な湿度のレベルをいう。食品の最高安全湿度レベルはその水分活性 (a
w
) に基づく。水分活性が、あるa
w
以下の食品が、望ましくない微生物の繁殖をうながさないことを示す適切なデータが得られるならば、そのa
w
は食品にとって安全と見なされる。
(o) 「消毒する (sanitize) 」とは、公衆衛生上重要な意味を持つ微生物の栄養細胞を破壊し、その他の望ましくない微生物の数を大幅に減少するのに効果的な方法によって、製品あるいは消費者の安全性には悪影響をもたらさずに、食品接触面を適切に処理することをいう。
(p) 「すべきである (しなければならない) (shall) 」は、命令要求を記述する時に使用する。
(q) 「することが望ましい (should) 」は、望ましい、あるいは助言的手順を述べたり、推薦される装置を明らかにする時に使用する。
(r) 「水分活性 (water activity) 」 (a
w
) とは、食品中の遊離湿度の計量単位で、同一温度における物質の蒸気圧を純粋水の蒸気圧で割った商である。